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牧原出

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東京大学先端科学技術研究センター教授

報告

解説これまで自民党でいう「派閥」の2要素は、構成員への政治資金の授受と政府・党人事での配慮であった。裏金問題は、この2つを決定的に制約しており、今後もそれが回復することはないだろう。そもそもこれまでの「自民史」は消費税率が10%という高負担社会ではない時代の自民史にすぎない。高負担社会では、裏金や不透明な政治資金が認められることはない。今後、古い派閥は復活しないだろう。もちろん政治家が集まればグループはできる。民主党もそうであった。だが野党では、政治資金も人事もグループが大きく差配することはなかった。つまり、自民党に今後のこる政策グループとは、せいぜい民主党のグループ程度のものということになる。それは、結局は「派閥」ではないのである。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 白鳥浩

    法政大学大学院教授/現代政治分析

    解説派閥はなくなるわけがない。むしろ今回の裏金議員の二重処分でさらに派閥復活への加速がついている。 裏金…続きを読む

コメンテータープロフィール

牧原出

東京大学先端科学技術研究センター教授

1967年生まれ。1990年、東京大学法学部卒業。東北大学法学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員研究員、東北大学大学院法学研究科教授などを経て2013年より現職です。 官僚制の歴史研究と政治家・官僚へのオーラル・ヒストリーを用いて、日本政治を研究しながら、現在の政治・行政をウォッチしています。著書に『 内閣政治と「大蔵省支配」』(中央公論新社)、『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会)、『権力移行』(NHK出版)、『「安倍一強」の謎』(朝日新聞出版)、『崩れる政治を立て直す』(講談社)など。

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