『うる星やつら』のラムのキャラクター造形が如何に画期的であったか、高橋留美子さんの師匠にあたる小池一夫さんから聞いたことがあります。第1話が掲載された1978年当時、鬼を娘化する発想とファンが真似られるデザインに落とし込んだことが素晴らしい、とのことでした。確かに現在、漫画やアニメにおける人外の者の娘化やコスプレは一般化していますが、ラムはその先駆けと言えるでしょう。そういう意味で『うる星やつら』は、ただのヒット作を超え、新しい文化を生み出した作品でもあるのです。昨年同ハーベイ賞に殿堂入りした手塚治虫さん同様、間違いなく高橋留美子さんも漫画に未知の地平を切り開いた偉人です。
コメンテータープロフィール
ライター・編集者。出版社にて単行本・電子書籍の編集を経験した後、2004年頃からフリーランスに。漫画・アニメ・映画関係の紹介や取材、コラムの執筆や、漫画・ライトノベルの編集などを手がける。web媒体ではマグミクス、リアルサウンド、現代ビジネスほかに寄稿。
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