見解先の欧州議会選挙の結果を経て、全体としての「右傾化」が進む状況とはなったが、次期欧州委員長はフォンデアライエン氏の続投が本命視されていた。その意味では、ある意味で順当な結果ともいえる。しかし、むしろ注目すべきは、今後、委員長として2期目を務める同氏の下での欧州委員会がどのような政策を優先していくのか、政策の方向性や強度などに変化が出るのか、といった点であろう。選挙結果の背景ともなったEUや加盟国の政策への不満・批判の存在を考えると、今後の政策に何らかの変化が出てくる可能性はある。また、特に政策実施の主体となる加盟国では、それぞれの政治・経済・社会の現実を踏まえて、暮らしや経済・産業を守るための政策遂行が重視されていくものと思われる。こうした中、これまで世界をリードしてきたEUの脱炭素政策の推進にどのような影響が生まれ得るのか、注目していきたい。
コメンテータープロフィール
専門は国際エネルギー情勢の分析とエネルギー政策の研究。エネルギー安全保障問題やエネルギー地政学に詳しい。
小山堅の最近のコメント
フランス総選挙 極右政党躍進か…背景に何が
日テレNEWS NNN
