在宅勤務のための体制整備、パソコン等の備品、セキュリティ対策の他、例えば課の人数が少ない部署における出社する人への負担等も考慮すると、出勤7割削減は容易ではないです。在宅勤務を推進するためには、作業環境整備も必要であり、適切な高さの机や椅子、明るさの確保等、社員の安全配慮を考えると、臨時手当の支給や経費負担等で補えない場合は出社を要することもありえます。また、銀行などでは事業の性質上在宅勤務が難しいところや、建設作業員や警備員など、現場に出なければ成り立たない仕事も多く存在します。感染拡大を防ぐための処方箋として出勤を7割減は効果的な手法だと考えますが、企業にとって事業継続をすることも重要課題としてパラレルに考えざるを得ません。在宅勤務が可能なところは時差出勤や一部在宅勤務も含めて進めていくことが現実的です。7割減がゴールではなく、事業継続する上で有効だと捉えてできるかどうかだと考えます。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
明治大学法学部卒業後、労働事務官として労働省へ入省し、個別労働関係紛争解決促進法の策定や国会対応業務、労働安全衛生総合研究所で研究員の給与計算業務等を経て、労働基準監督官に転官。厚生労働本省、労働保険審査会事務局、神奈川県相模原署、川崎南署、神奈川労働局労働保険徴収課勤務後、厚生労働省を退職。現在は各企業の顧問業務、法定教育、各種セミナー、安全パトロールを行っている。サッカー、フットサルの競技における運動器障害や大けがの経験を経て、運動指導に関わるトレーナーライセンスを取得。アスリートや企業で働く方など幅広い方を対象に、頭と動作を鍛え、機能改善、運動パフォーマンス向上へ導く運動指導を行う。
関連リンク(外部サイト)