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小林真一郎

小林真一郎

認証済み

三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部 主席研究員

報告

解説前月比2.8%増と、生産計画の同6.9%増には至らなかったものの、経産省の試算値同2.3%増を上回りました。挽回生産によって自動車工業が同18.1%増と急増した影響が大きかったほか、自動車用電気照明器具などの自動車関連製品や、コンベアなどの汎用・業務用機械も順調に増加しました。 ただし、今後の生産計画も踏まえて生産活動の現状を評価すると、必ずしも順調に持ち直しているとはいえません。6月の生産計画は同4.8%減(経産省試算値では同6.0%減)と大きく落ち込む見込みです。中でも、生産の一部が再停止している自動車で同6.4%の減少が計画されているほか、生産用機械工業、化学工業などでも減少計画となっています。こうした自動車の落ち込みは、販売や輸出の減少を通じて、夏場の景気にとってのマイナス要因となります。当面、製造業の生産活動は弱い動きが続きそうで、円安メリットを十分に享受できそうにありません。

コメンテータープロフィール

小林真一郎

三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部 主席研究員

1990年3月一橋大学社会学部卒、同年4月日本長期信用銀行(現新生銀行)入行。外資系資産運用会社勤務を経て1999年12月三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)入社。以来マクロ経済/金融調査を専門に担当し、現在は国内経済統括を担当。東京外国語大学非常勤講師(2003年度~2011年度)、参議院客員調査員(2005年9月~)。BSテレ東「日経プラス9」・日経CNBC「昼エクスプレス」レギュラーコメンテーター、NHK、民放テレビ各局への出演、日本経済新聞など有力紙、専門誌への寄稿多数。ESPフォーキャスト調査、2018年度/2020年度/2021年度優秀フォーキャスター。

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