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木場紗綾

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神戸市外国語大学国際関係学科 准教授

報告

マルコス大統領が2月に日本を訪問することは、昨年から調整されていました。フィリピン政府、特に司法省の職員らとしては、大統領訪日前のタイミングで、あまりに本件に関して(のみ)日本のメディアの取材が殺到することに戸惑い、なんとか沈静化させたい思いでしょう。  フィリピンの法執行機関の能力やガバナンスに課題があるのは事実ですが、フィリピンを汚職の巣窟、犯罪者の巣窟であるかのように見ることは避けるべきだと思います。同時に、フィリピンの司法制度は、大統領への忖度で歪められるというわけでもありません。  来週の日本とフィリピンの首脳会談では、多くの重要課題が議論されます。フィリピン政府は、日本を含め多くの外国投資を呼び込み、経済を活性化させたいと願っています。収容所の実態に関する詳細ばかりが注目を浴びる向きがありますが、読者の方々にはぜひ、未来志向の二国間関係にも目を向けていただきたいと思います。

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  • 多田文明

    詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

    まずは、公訴が棄却される見通しとなったことで、4人同時送還の道が見えてきました。指示役らこそ、すべて…続きを読む

コメンテータープロフィール

木場紗綾

神戸市外国語大学国際関係学科 准教授

神戸大学大学院国際協力研究科修了(政治学博士)。フィリピン大学研究員、在フィリピン日本国大使館専門調査員、在タイ日本国大使館専門調査員、衆議院議員秘書などを経て現職。専門は東南アジア政治、国際協力論。防衛大学校グローバルセキュリティセンター共同研究員。技能公募予備自衛官(英語)。近著に、Pathways for Irregular Forces in Southeast Asia: Mitigating Violence with Non-State Armed Groups (Routledge, 2022年)、『アジアの安全保障2021-2022』(朝雲新聞社2021年、共著)など。

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