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川島真

川島真認証済み

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東大教授

報告

解説中国の自己定義は「発展途上大国」。決して一人当たりGDPが1万5千ドル前後になっても、途上国だと主張する。これは、OECDなど先進国の組織に入ることを拒み、そこでの西側が作ったルールには従わないという意思表示をしているということだ。また中国は世界を、「アメリカなどの先進国vs中国を代表とする非先進国」という構図で捉えている。そのためにも自らを発展途上国としないといけない。これもアメリカに追いつき、追い越すという国是に合わせた世界認識になっている。しかし、インドが2023年1月に開いたグローバルサウスサミットに中国を招聘しなかったように、中国を途上国とみなすことには途上国側からも疑義が呈される。だが、中国は2023年7月から自らがグローバルサウスの一員だと明確に位置付け、BRICSを拡大させるなどして、途上国の代表として先進国に対峙する姿勢を強めようとしている。

コメンテータープロフィール

専門はアジア政治外交史。中国・台湾の現状についても関心を持っています。

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