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川島真

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東大教授

報告

解説日中首脳会談の内容を日中の外交当局が公開した。今回は、双方の公開内容に重なりが多い。日本側は、岸田政権以来の言葉遣いを継承し、具体的な懸案について問題提起を行なった。中国は、トランプ政権発足前にアメリアの同盟国との関係性を多少でも改善していくという意図の下に、「微笑み」外交を演出した面もあろう。習近平国家主席の口からアルプス処理水関連の諸問題について解決していくという意思が語られたことが成果のようにも見えるが、これはそもそも中国側から日本に提起した問題であり、自分で提起した問題を解決するように見せて譲歩したかのように振る舞っているということだ。他方、もうひとつ、中国が一方的に提起したビザなし渡航問題については言及がなかったようだ。なお、日中間の地方交流、青少年交流、人文・経済交流などの促進が習近平国家主席から明確に述べられたことで、今後、中国側はこの分野での交流の活発化を求めるだろう。

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  • 山田吉彦

    海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

    見解中国は、日本に対し領空侵犯、領海侵犯を行ったばかりであり、安全保障上の明確な対応策を講じることができ…続きを読む

コメンテータープロフィール

専門はアジア政治外交史。中国・台湾の現状についても関心を持っています。

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