Yahoo!ニュース

川島真

川島真

認証済み

東大教授

報告

最初に抗議したのは中国側でそれに垂大使が反論したのに、いつの間にか日本が中国を中傷していて、それに中国が抗議しているという「すり替え」が起こっている。もともとG7首脳声明に「切れた」のが中国だったはずなのに、日本側が問題を起こしたとしているのだ。良いことの理由は自分、悪いことの原因は他国。中国の基本的な言説構造だ。この記事の「逆ギレすべきではない」というのは、報道官の「改邪归正的恰恰是他们(誤った考えを改め正さねばならないのはまさに彼ら=日本や先進国だ)」という部分だろう。この反論に対して、おそらく垂大使は静観するだろう。他方で、日中交流に政治的な立場を入れるなという大使の注意に対しても、報道官は日本に切実に反省して過ちをただし、共に関係改善の気分を作れなどという。だが、これでもし中国側が政治を交流に持ち込みにくくなるのなら、垂大使の「攻め」が効いたことになろう。引き続き要観察だ。

こちらの記事は掲載が終了しています

参考になった3748

コメンテータープロフィール

専門はアジア政治外交史。中国・台湾の現状についても関心を持っています。

川島真の最近のコメント