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門倉貴史

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エコノミスト/経済評論家

報告

見解日本は、今年、ドル換算での名目国内総生産(GDP)がドイツに抜かれて世界第4位に転落する見通しだ。  低賃金も状態化し、政府債務残高のGDP比も220%を超えるなど、もはやお世辞にも経済大国とは言えない状況となっている。  にもかかわらず、エジプトに対し最大約2.3億ドル(約340億円)の財政支援、ヨルダンに対しては1億ドル(約146億円)の財政支援を表明するなど、政府は海外支援に巨額の財政資金を投じようとしている。  しかも、エジプトの政府債務残高のGDP比は88.5%、ヨルダンは29.5%にとどまっており、日本よりも財政状況がはるかに健全な国に対して財政支援をすることになる。  いまの日本は、かつてのように海外支援をする余裕のある経済大国ではないこと、自国の財政が深刻な状況になっていることをもっと自覚して、海外支援よりも国内経済の立て直しに貴重な国民の税金を投じるべきだ。

コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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