ロシアは黒海の港湾を封鎖してウクライナの穀物輸出を妨害しているだけではない。 ウクライナで生産された小麦やトウモロコシを略奪するとともに、小麦畑や倉庫、コンバインなどの農業機械の破壊も行っている。 ロシア軍による占領地域での卑劣な略奪・破壊活動によりウクライナの穀物生産・輸出は例年の半分以下に落ち込む可能性が高い。 G7がウクライナ産穀物の輸出ルートを確保しても、ロシアが占領地域における穀物の略奪・破壊活動を止めない限り、食料危機に瀕している中東・アフリカ諸国を救済することは難しいのではないか。
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コメンテータープロフィール
1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。
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