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門倉貴史

門倉貴史

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エコノミスト/経済評論家

報告

家計が値上げを受け入れているとは言い難い。  家計が物価の上昇を受け入れられるのは、賃金の上昇率が物価の上昇率を上回る局面であるが、現状では逆に物価の上昇率が賃金上昇率を大幅に上回っており、家計の実質的な購買力はむしろ下がっている。  また家計の貯蓄残高が増えているといっても、それはあくまでも世帯平均値であって、最頻値(モード)でみると貯蓄100万円未満の世帯が依然最多となっている。  つまり少数の富裕層が平均貯蓄額を押しあげているだけであって、一般世帯の貯蓄が増えているわけではないということだ。  一般世帯は値上げを受け入れるどころか、値上げに悲鳴を上げているというのが実情だろう。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 窪園博俊

    時事通信社 解説委員

    消費者の実感としては、商品の値上がりは家計を圧迫するものであり、受け入れている、との表現には違和感を…続きを読む

  • 白鳥浩

    法政大学大学院教授/現代政治分析

    日銀総裁の認識は浮世離れしている。 値上げを家計が受け入れているとはどういうことか?そもそも値上げは…続きを読む

コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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