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門倉貴史

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エコノミスト/経済評論家

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東京では新規感染者数の増加傾向に歯止めがかからなくなってきている。「安心・安全」ではなく「不安・危険」の五輪開催となるため、国民の購買意欲は盛り上がるどころかむしろ低下するとみられ、五輪開催による消費拡大の経済効果は全く期待できない。また、ほとんどの競技が無観客開催となるため、観客による消費拡大(交通費・宿泊費・飲食費・お土産代など)の経済効果も出てこないだろう。その一方、五輪開催期間中の交通規制による物流の停滞、強引なテレワーク要請による従業員の生産性の低下など、供給・生産面では経済損失が発生する可能性が高い。7月12日から8月22日までの緊急事態宣言発令による経済損失も加えれば、五輪開催に伴う経済損失はさらに巨額になる。結局、今回の五輪開催の経済効果と経済損失を比較すれば、経済損失が経済効果をはるかに上回ることになり、赤字となった分は将来の増税で国民が支払わされることになるだろう。

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コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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