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稲葉剛

稲葉剛

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立教大学大学院客員教授/つくろい東京ファンド代表理事

報告

日本の入管行政に対しては、国内だけでなく国際社会からも厳しい視線が注がれています。 2020年、国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会は、入管施設での収容に司法の介在がなく、期限も定められていない点等を国際法違反と指摘する意見を採択しました。 国連の自由権規約委員会も、昨年11月に発表した日本国内の人権状況に関する総括所見の中で、被収容者の死亡が相次ぐ等、施設における健康状態を顧みない劣悪な処遇に懸念を表明し、国際基準に沿った包括的な難民保護法の整備や、適切な医療へのアクセスなど収容施設の処遇の改善、仮放免者への支援と収入確保の機会設定を検討すること等を勧告しました。 こうした意見や勧告を無視して、2021年に廃案になったのと同内容の入管法改正案を政府が閣議決定をするようなことになれば、日本政府が国際社会に背を向けると国内外に宣言したのと等しい意味を持ってしまうことになると懸念します。

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コメンテータープロフィール

稲葉剛

立教大学大学院客員教授/つくろい東京ファンド代表理事

1969年広島県生まれ。94年より、路上生活者を中心に生活困窮者への相談・支援活動に取り組む。 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、認定NPO法人ビッグイシュー基金共同代表、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 著書に『貧困パンデミック』(明石書店)、『閉ざされた扉をこじ開ける』(朝日新書)等。

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