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稲葉剛

稲葉剛

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立教大学大学院客員教授/つくろい東京ファンド代表理事

報告

生活保護の生活扶助基準は5年に1度見直されることになっていますが、前々回の2013年は平均6.5%、最大10%という過去最大の引き下げが行われ、前回の2018年も平均1.8%、最大5%減額が行われました。 今回、厚生労働省の社会保障審議会生活保護基準部会では、現行で6区分に設定されている級地を3区分に減らす案が検討されていますが、これにより生活保護世帯の多い都市部の基準が結果的に引き下げられるのではないかという懸念が委員からも表明されています。 部会での議論が事務方の主導により「引き下げありき」で進められてしまうことについて、2013年の基準見直しの際、部会長代理を務めていた岩田正美・日本女子大名誉教授は後に「日本にとってよくない。振り返ればじくじたる思い」と証言しています。 基準の見直しは生活保護世帯のみならず、他の低所得者支援制度にも影響を及ぼします。慎重な検討が求められます。

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コメンテータープロフィール

稲葉剛

立教大学大学院客員教授/つくろい東京ファンド代表理事

1969年広島県生まれ。94年より、路上生活者を中心に生活困窮者への相談・支援活動に取り組む。 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、認定NPO法人ビッグイシュー基金共同代表、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 著書に『貧困パンデミック』(明石書店)、『閉ざされた扉をこじ開ける』(朝日新書)等。

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