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星周一郎

星周一郎

認証済み

東京都立大学法学部教授

報告

見解レベル4以上の自動運転については、道路交通法上、従来の「運転」とは異なる「特定自動運行」という概念が導入されています。 そういった背景もあり、自動運転で事故が発生してしまった場合の原因究明、あるいは再発防止にとっては、従来とは異なる情報・データが必要となります。 事故に関するデータの提供に関しては、現在、それを義務づける法制はありません。また、提供されたデータをどのように分析して活用するのかも、現状では不明確です。 他方で、自動運転での事故も、時には人の生命・身体に関わる事項となります。したがって、民事や行政だけでなく、刑事的な法的責任の追及とも無関係ではありません。 調整の難しい課題ですが、自動運転技術の開発や社会実装のためには、避けて通ることのできない問題といえます。

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コメンテータープロフィール

1969年愛知県生まれ。東京都立大学法学部卒業、博士(法学・東京都立大学)。専門は刑事法。近年は情報法や医事法にも研究対象を拡げている。著書として『放火罪の理論』(東京大学出版会・2004年)、『防犯カメラと刑事手続』(弘文堂・2012年)、『現代社会と実質的刑事法論』(成文堂・2023年)、『アメリカ刑法』(訳・レクシスネクシス・ジャパン・2008年)など。

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