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東野篤子

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筑波大学教授

報告

欧州諸国が一帯一路に幻滅し、次々と中国に背を向けるなか、セルビアは中国との緊密な関係を維持してきました。今やセルビアはハンガリーと並び、中国と中・東欧諸国との協力枠組み「16+1」参加国の中でも最も親中的な国であると言えます。 一方、一帯一路による投資がもたらす環境汚染については、セルビアでの実態がようやく浮かび上がってきました。セルビアはEU加盟国ではないので、EUの厳しい環境規制も及びません。記事にあるような深刻な被害が進行していても、それを食い止める決定的な手段を欠いているのが現状です。 国際社会は一帯一路に取って代わるようなグローバルなインフラ投資策を一刻も早く策定すべきです。今年のG7で、米国主導で打ち出された「よりよい世界の再建(B3W)」や、EUが現在策定中の「グローバル・ゲートウェイ」等、環境に最大限配慮したインフラ投資策の実施に向け、グローバルな協力が不可欠です。

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コメンテータープロフィール

ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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