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服部倫卓

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北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

報告

見解私は主に経済を研究しているので、差し当たり「西側諸国にはウクライナの天然資源開発に関与する機会を提供する」という箇所についてコメントさせていただく。 ウクライナの主な地下資源としては、鉄鉱石、石炭がある。 鉄鉱石は、ウクライナ中部に賦存し、鉱石の品位は低いながら、埋蔵量は膨大である。ただし、すでにウクライナの民間企業が開発しており、その利権をどう調整するかが不明である。 石炭は、コークス生産に用いられる原料炭は輸入依存であり、主に発電用の一般炭をドンバスで産出している。ただ、これも有望な資産はウクライナ民間資本が押さえており、不採算炭鉱を国が抱えている形で、世界的な脱炭素化と相まって、外資にとり魅力があるかは疑問だ。 可能性があるとすれば、ドンバス地方のシェールガス・オイル、クリミア沖の石油・ガス田などだろうが、領土奪還が前提となろう。

コメンテータープロフィール

服部倫卓

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

1964年静岡県生まれ。主な著作に、『不思議の国ベラルーシ ―ナショナリズムから遠く離れてー』、『ウクライナを知るための65章』(共編著)など。趣味は音楽鑑賞(主に1950~1970年代のソウル、ロック、ポップス)と、サッカー観戦(清水エスパルスのサポーター)。

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