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福井健策

福井健策

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弁護士/ニューヨーク州弁護士(骨董通り法律事務所 代表)

報告

見解文化の歴史は、先行作品の翻案の歴史です。過去には、原作に忠実なドラマ化で幾多の傑作もあれば、原作から大きく飛躍したドラマ化で幾多の傑作もありますね。大事なのは原作側と二次創作側が納得しあえることで、どちらが正解ということはありません。 もちろん原作のファンがドラマの要素を評価する、評価しないは全く自由であり、健全なことです。 ただ「『セクシー田中さん』から何も学んでいない」という発言を見出しにしたことは、気になりました。『セクシー田中さん』の最大の悲劇は、原作者の希望とドラマ作りが全く食い違ってしまったことですね。では今回のキリコの設定に、手塚プロや遺族は同意していなかったのでしょうか。その肝心の点の取材はしたのでしょうか。記事は全く触れていませんね。 単に批判を煽るために『セクシー田中さん』を見出しに使ったのだとすれば、それこそが「何も学んでいない」姿勢かもしれません。

コメンテータープロフィール

福井健策

弁護士/ニューヨーク州弁護士(骨董通り法律事務所 代表)

弁護士(日本及びニューヨーク)。骨董通り法律事務所 for the Arts 代表。日大芸術学部・神戸大学大学院・iU・CATで客員教授。専門はエンタテインメント・メディアの法律と契約、著作権法、肖像権・メタバースなど情報法。 内閣府知財本部・文化庁ほか委員。デジタルアーカイブ学会法制度部会長、JPASN常任理事、エンタメロイヤーズネットワーク理事。近著『18歳の著作権入門』(ちくま新書)、『エンタテインメント法実務』(弘文堂・編著)、『ロボット・AIと法』(有斐閣・共著)ほか。

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