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秋山信将

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一橋大学大学院法学研究科 教授

報告

クリミア危機でもプーチン大統領は核の警戒態勢を上げたと言っています。この宣言は、危機のレベルを上げるのは確かなのですが、「特別任務体制」を敷くことが具体的に何を指すのか明らかにされていないところが気持ち悪いですね。 ロシアからすれば、思ったよりも戦争が長引き、ドル資産も使えなくなる中、このペースだと10日くらいで戦費も兵器も底をつく可能性も指摘されます。欧米の介入を抑制して早いとこ戦争を終わらせるには、危機感を煽りステークを上げておいて地上での攻勢を強め、そして交渉するというアプローチを考えたとしてもおかしくありません。 欧米側は今のところ抑制された反応ですが、もしこの後さらにロシアがステップアップするようなことになれば、偶発的な核戦争のリスクは高まります。この事例は、戦争というのは不可避的にマルチドメインで戦うのだと改めて認識させられますね。

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  • JSF

    軍事/生き物ライター

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コメンテータープロフィール

秋山信将

一橋大学大学院法学研究科 教授

専門は国際政治。特に、安全保障、軍備管理・軍縮、不拡散、エネルギー安全保障。広島平和研究所専任講師、日本国際問題研究所主任研究員、在ウィーン国際機関日本政府代表部公使参事官などを歴任。日本軍縮学会会長。博士(法学)。

秋山信将の最近のコメント

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  • 秋山信将

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