ニュース解説から生活趣味まで――約2,600名の専門家が集まる「Yahoo!ニュース エキスパート」始動
2023年8月1日から、これまでの「Yahoo!ニュース 個人」(以下、ニュース個人)と「Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム」(以下、「クリエイターズ」)がひとつになり、「Yahoo!ニュース エキスパート」として生まれ変わります。このサービスはどのようなプラットフォームを目指しているのか。数値データや現場責任者の声とともにご紹介します。(取材・文/Yahoo!ニュース)
伝えたいのは新しい気づき、考えるヒント、行動につながる情報
Yahoo!ニュース エキスパートは、さまざまな分野の専門家やジャーナリスト、クリエイターが、自らの知見をもとに、新しい気づきや考えるヒント、行動につながる情報を発信するプラットフォームです。エキスパートは「専門性」「実績」「発信力」「時勢・ニーズ」を踏まえて、厳正な審査を経て選ばれた専門家集団です。
今回の統合により、ニュース個人の書き手である「オーサー」「コメンテーター」、クリエイターズに参加する「クリエイター」約2,600名が集結。それぞれの強みをかけあわせることで、発信力をさらに高めていきます。
エキスパートのみなさんには、月間170億PVを誇るYahoo!ニュースの強力な掲出面で情報発信していただきます。これによりニュースの読者は、より信頼できる、かつ安心できる情報にアクセスすることができます。
Yahoo!ニュース エキスパートはどういった特徴や強みをもったプラットフォームなのか。まずは具体的な数字を交えて、さまざまな角度から見ていきます。
数字で見るYahoo!ニュース エキスパート
2012年にオーサー55名とスタートしたニュース個人。現在はYahoo!ニュース コメントへの投稿を専門とするコメンテーターを加えると、1,000名を超える専門家や有識者が参画。2018年開始のクリエイターズは、生活趣味領域や地域に特化したクリエイターが集まり、本年度中に2,000名を超える予定
今回の統合により、ニュース解説から生活趣味情報まで、ユーザーの多様なニーズに応える才知と情熱が結集。総勢約2,600名のエキスパートたちが集う国内最大級の専門家プラットフォームとなります。
オーサー、コメンテーター、クリエイターは、各専門領域における実績、執筆経験などをもとに審査を行っており、いずれも各領域の精鋭がそろいます。個人の才能や情熱によって生み出される独自のコンテンツが、それぞれのサービスで日々発信されてきましたが、これからYahoo!ニュース エキスパートとして発信力を結集し、より多くのユーザーへ新しい気づきや考えるヒント、行動につながる情報を届けていきます。2023年10月のヤフーとLINEの合併で、今後Yahoo!ニュースとLINEの連携も予定されており、エキスパートの発信力がますます拡大していきます。
ニュース個人では、それぞれの知見に根ざした独自の視点からニュース記事を発信。これまで約13万本の記事が公開され、中には大型組体操の問題など社会的な議論へと発展した発信も少なくありません。クリエイターズでは、才能と情熱を持ったクリエイターが制作した記事をこれまで約11万本配信してきました。地域情報や生活趣味情報などのテキストコンテンツだけでなく、ドキュメンタリー動画も配信するなど、多彩なオリジナルコンテンツがそろいます。
ニュース個人のオーサーによるコメント投稿が始まったのが2014年。2020年にはコメント投稿に特化したYahoo!ニュース 公式コメンテーターが開始
Yahoo!ニュースに配信される記事に専用のコメント枠を設置し、ニュースをよりわかりやすく、付加価値の高い情報としてタイムリーにユーザーへ届ける目的で始まった「コメンテーターコメント」。ニュース記事へのコメント投稿によって情報がよりリッチになり、ひとつのニュースを契機に、多角的な専門家の視点にふれることができます。コメンテーターコメントには投稿コメントに対する評価をユーザーが1クリックで示せる「参考になった」ボタンを設置しており、2022年には年間4,100万回の「参考になった」がクリックされました。これからもYahoo!ニュース エキスパートでしか得ることができないニュース体験としてユーザーに価値ある情報を届けていきます。
特定の地域に根ざした情報を発信するクリエイターの活動地域は385市区町村に到達。すべての政令指定都市からクリエイターによる発信が行われ、全国の中核都市・施行時特例市のカバー率も95%超
コロナ禍以降、ローカル情報への興味関心やニーズが高まりましたが、クリエイターによる地域に根ざした情報発信も拡大を続けています。2021年3月より地域クリエイターの活動が開始されましたが、今では全国385市区町村に500名以上が在籍。地元のお店の開店や閉店、おすすめのお出かけスポットや子育て、イベント情報など、ユーザーの日々の生活に深く関わる地域の細やかな情報を発信しています。中には地域で起こった何気ない日々のトピックが話題になり、全国で注目を浴びるケースも生まれてきています。
こちらの図はクリエイターによる発信ジャンルの一例です。ニュース個人で活動してきたオーサーの多様な専門領域に、クリエイターたちが精通している生活や趣味、学問、商品レビューといったよりユーザーに身近なテーマも加わり、Yahoo!ニュース エキスパート全体のジャンルの多様性やバリエーションがこれまで以上に広がります。
マスからパーソナルまで「発信者の顔が見える情報」を
今回、ニュース個人とクリエイターズがひとつになることで、ユーザーへ何を届けていくのか。サービスマネージャーの清水耕一郎と藤原光昭は、ユーザー一人ひとりの生活や、世の中の事象に対する視点を常にアップデートし続けることができる場を提供していきたいといいます。
- 清水
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「エキスパートのみなさんの発信を通して、『新たな発見』『考えるヒント』『行動につながるきっかけ』をユーザーへ届けていきたいと思います。『見る』『知る』だけではなくて、それが『行動につながる』というところまで実現できたらと考えています」
世界で起こっている課題から、身の回りの小さな喜びまで、マスとパーソナルの情報を幅広い切り口で提供するのは、Yahoo!ニュース全体の目指す方針でもあります。また、これからますます重要になっていくと考えているのが、「発信者の顔が見える情報」。匿名の情報が飛び交い、ChatGPTなどのAIによるコンテンツ生成も進む中、マスからパーソナルまで幅広い分野について、Yahoo!ニュース エキスパートでは信頼できる専門家がいること、専門家による信頼できるコンテンツがあることを知ってほしいといいます。
- 藤原
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「ニュースから生活、趣味、地域のことまで、新しい発見、面白さ、学び、理解を与えてくれる人たちがいる。ユーザーがYahoo!ニュースを選んでくださる『理由』になったらうれしいですね。AIの学習精度や活用が広がってきていますが、それでも『リアルタイム』で起きていることを学習・分析することはまだ道半ばです。エキスパートでは、昨日、今日、明日に起きることを専門家が解説することもできるし、クリエイターが飲食店に実際に行って写真を撮って実食することもできます。専門性やクリエイティビティ、取材力を持った3,000名近い専門家から発信いただくことは、ユーザーの多様なニーズに必ず応えることができるものと思いますので、ぜひ期待していただきたいです」
個人の専門家やクリエイターが発信して世の中に影響を与えるという点では、これまでニュース個人もクリエイターズもそうした事例が数多くありました。2018年にオーサーの内田良さんが大型組体操の問題点を指摘した記事は大きな話題を呼び、全国で大型組体操が見直され、まさに社会を動かす記事となりました。
「巨大組み体操 一部学校で継続 9段ピラミッド達成も」(ニュース個人)
また地域クリエイターの記事で「ある町の不二家が閉店した後、お店の壁に書き込まれた地元住民の愛溢れるメッセージ」の話題が、その地域の人々だけでなく、全国的に感動と反響を呼ぶ事例もありました。
「【相模原市南区】ペコちゃん41年間ありがとう。閉店したお店を見に行ったらまさかの光景に涙」(クリエイターズ)
「【神戸】ありがとうポートタワー!また会える日まであなたをここで待っているよ」(クリエイターズ)
このように、オーサーやクリエイター個人の発信が、多くのユーザーに新しい発見や気づきを与え、社会や行動を変えるきっかけにつながっていく、そうした事例を今後もっともっと増やしていきたいといいます。
- 清水
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「みなさんそれぞれの思い出があって、共感が生まれて、地域のネタが全国に広がるんでしょうね。だから、『あなたの興味は、絶対誰かの興味でもある』ということだと思うんです。マス領域でいうと、大手メディアが伝えないようなトピック、見逃されがちなポイントを、エキスパートならではの視点でお伝えいただきたいです。コロナ禍はいい例で、我々の生活にさまざまな影響があった中で、医療従事者の方に限らずエキスパートの方々が現場で実際に感じている『脈』みたいなものを多数発信いただけました。多くのユーザーにとっても非常に有益な情報として受け取っていただけたのではないかと思います」
「新型コロナを巡る報道、感染症専門医からどう見えた? 忽那賢志さんに聞くメディアの在り方」(news HACK)
今後、Yahoo!ニュースとLINEの連携も進んでいく中で、エキスパートの活躍の幅を広げる計画も進行しています。
- 清水
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「アグレッシブなサムネイルや見出しにするアテンションエコノミーではなく、信頼できる人の情報がしっかり届くような仕組みを作りたいです。LINEのような『One to One』のコミュニケーションツールの中でこそ、エキスパートの方たちが発信するコンテンツが届いてほしい人に届き、その価値が最大化されていくと思っています」
- 藤原
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「コミュニケーションツールとして、その人にとって必要な情報を届けてくれるので、よりエキスパートの人たちに近づきやすくなるし、より信頼性が高まるんじゃないかと期待したいですね。LINEがコーポレートミッションに掲げている『CLOSING THE DISTANCE』のように、エキスパートとユーザーの距離を近づけていくイメージです」
現在は、エキスパートの記事がまだセレンディピティ、つまり「幸運な偶然性」によって、ユーザーに表示されている側面もあります。今後のLINEとの連携では、エキスパートの発信をより多くの人たちに知っていただく機会を増やしていきたいといいます。
- 藤原
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「社会問題についての解説もあれば、コンビニの新商品スイーツの話題もある。今はそれをセレンディピティ、つまり記事単位で一定の興味関心のアルゴリズムで届けていますが、今後は、エキスパートとして活動する方々の顔や専門性、発信スタイルをよりわかりやすくユーザーに伝えて、そして彼らのファンになってもらう。エキスパートとユーザーのエンゲージメントを高めていけるような施策を進めていきたいですね」
- 清水
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「小さくても、ある人にとっては深く共感するような大事な情報との出会いの場を提供できるといいなと思っています。たとえば、不動産は賃貸がいいか、持ち家がいいかという永遠の議論もありますが、それは結局、人それぞれなんですよね。正解がひとつじゃない世界で、安心や信頼、自分の時間をベットできる場所がエキスパートになればいいなと思います」
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