「電話嫌い」が加速!若手に電話対応を求めると「テルハラ」になるってホント? #専門家のまとめ
電話対応が苦手な若者が増えている。SNSでのやりとりに慣れた世代にとって、見知らぬ相手と即座にコミュニケーションを取る電話は、大きなストレス源となっているのだ。そんな中、職場で若手社員に電話対応を求めることを「テルハラ(TELハラスメント)」と呼ぶ動きが出てきた。
テルハラとは、電話が苦手な人に無理やり電話対応を求めることと言われる。しかし、これはハラスメントに当たるのだろうか? それとも単なる過剰反応なのか。この問題の実態に迫ってみた。
ココがポイント
▼欧米では考えられない「誰かの代わりに電話に出る」という日本特有の習慣が、テルハラに繋がっている?
・若手の電話対応が「テルハラ」になる日本の大問題(東洋経済オンライン)
▼「電話そのものをなくす」という選択も? スマホを貸与、代表電話は当番制にした効果とは?
・電話に出ない若手と「自分ばかり出る人」の深い溝(東洋経済オンライン)
▼電話が苦手な理由で最も多いのは、「相手の都合を考えてしまう」や、「よく考えてから話すことができない」
・若者世代は電話が苦手ってホント? 電話よりもメッセージ派にその理由を聞いてみた(ソフトバンクニュース)
▼LINEなどになじんだ若者世代が、電話に慣れていないため余計に恐怖感を抱きやすいケースも
電話が鳴ると涙や吐き気が…「電話恐怖症」増加のワケと対処法とは?(ダイヤモンドオンライン)
エキスパートの補足・見解
電話はビジネスの現場で今なお重要なコミュニケーションツールだ。即時性や相手の声色から得られる情報など、他の手段では代替しがたい利点がある。そのため、たとえ電話を苦手とするビジネスパーソン(主に若手)も、その技能を磨くことは避けて通れない。なぜならビジネスの基本は「相手の立場に立って考える」だからである。自分が苦手だからといって、多くのビジネスパーソンが活用する主要コミュニケーションツールを覚えないというのは利己的だ、と捉えられる可能性が高い(あくまでも苦手だからという理由)。
いっぽうで「電話派」の社員(主にベテラン社員)も考え方を改める必要がある。よほど理不尽に強要しない限りテルハラとは呼ばれないだろうが、コミュニケーションの質、つまりコミュパ(コミュニケーションパフォーマンス)を高めるには、電話一辺倒ではなく、テキストベースのツールとの併用をすべきである。
重要なのは、コミュニケーションの本質を見極めることだ。単なる情報伝達なら、テキストツールのほうが効率的かもしれない。感情や熱意を伝えたいなら、電話や対面での会話が適しているだろう。目的に応じて最適なツールを選ぶことで、コミュパを高められる。