ホテルの部屋やレストランでエアコン風が直撃!気になりますか?
今年の夏も暑かった。日々エアコンフル稼働というシーンが続きましたが、エアコンの風(風向き)は個人的にとても気遣う部分です。冷房で部屋を冷やすことそのものよりも、直撃するエアコンの風がとにかく苦手というひ弱な50男であります。
以前、やむを得ず3時間ほどエアコン風直撃という環境から逃れられなかったところ、風邪をひいてこじらせてしまったこともあるくらいです。とにもかくにも冷風直撃で30分もいると喉が痛くなったりします。
エアコンの風なんてへっちゃらだぜという読者もいることでしょう。一方で女性を中心にという印象ですが、気になるという声があるのも事実。自宅だったらいくらでも対策できそうですが、日々ホテル暮らしの自身にとっては、ホテルはステイする場所で相当な時間身を置くわけであり、ホテル毎にかなり異なる部分だけにリアルな問題として捉えてきました。ホテルの客室といえば湿度の問題もよく指摘されますが、今回はこのホテルのエアコン風直撃問題について考察したいと思います。
ホテルの客室といっても、それなりに広い部屋であれば逃げ場もありそうですが、個人的によく利用するシングルユースの客室在室においては、ほぼベッドかデスクチェアにいるわけで、吹き出し口がそこへ風が直撃するポジションというケースにはかなり多く出合います。
ある種、最強なのが(サムネイル画像のような)個別に備えられたエアコン。新しいビジネスホテルでよくみかけますが、冷暖房に風向きも自在です。さらにビジネスホテルでは窓の開閉が可能なケースも多く、空調問題へのハードルは低い印象を持っています。
とはいえ壁の上部に取り付けられた個別のエアコンは、室外機も含め見た目がスマートではないという見方もあるようで、特に高級なホテルになるほど(大ハコのホテルになるほど)全館空調が見られます。全館空調といえば特徴的なのが吹き出し口。申し訳程度に羽があってイスに登り向きを変えても大した変化はありません。ついには使用しないベッドスローをクリップで留める暴挙!?も(※ホテルの許可をいただいております)。
全館空調問題でいえば、たとえば冬でも日差しや時間帯によっては客室が蒸し風呂状態になることも。でも全館空調はパネルの温度を18度にしようが出てくる風は暖房という全館一括管理はよくあります。
冬ならば窓が開けば緩和されるのでしょうが窓の開かない客室も多し。最新の全館空調システムだと客室個別に冷暖房自在という優れものもあるそうですが、いずれにしても古い建物+全館空調+窓の開閉不可+季節の変わり目は個人的にかなり要注意の条件です。
ところで、個々人の空間であるホテルの客室なら何とか対策をとる術はありそうですが、ホテルや市中のレストランで遭遇するエアコン問題もあります。先日もホテルの朝食会場でテーブルの紙ナプキンが舞ってしまうほどの強風が直撃していました。もちろんツライということもありますが、料理に直風が当たるのも気になります。
そうした意味で感動したのが新千歳空港国際線ターミナルに直結した「ポルトムインターナショナル北海道」のダイニングレストラン。北海道まるごとツアーのような食材の確かさ、素晴らしいアレンジにも身を委ねる素敵な時間を約束しますが、そんな極上時間は空調にも秘密がありました。料理はもとより感動したのがエアコンの吹き出し口(客室のポジションも秀逸)。見事テーブルにかかってない配置であります。
このホテル空調・エアコン問題は、ホテルの運営方式によるところも関係します。建物ありきでエアコン工事も終わっている建物へホテルが入居するスタイル、一から運営会社とオーナーでタッグを組んで造り上げていくスタイル、そしてデザイナーの意向も影響します。所有・運営・契約など様々な要素が凝縮されたエアコン問題ですが、高価格帯のホテルでもおそろかにされているのを散見します。
ところで福岡に興味深いホテルがありました。なんとエアコンが無いというのです。その名も「HOTEL GREAT MORNING(ホテル グレートモーニング)」。空調の他にも快適な朝を約束する様々な気遣いに溢れています。エアコンのない理由は冷却パネルで全体を冷やすシステムを採用しているからで、湿度も丁度良く自然の空気に触れている感覚です。
高原の避暑地にいるような、とにかく空気がキレイなことを実感します。エアコンの風が苦手な者としても感涙モノでした。その他、照明設計からカーテン、調度品に至るまでホテル名の通り快適な朝を迎えるための仕組みや仕掛けがたくさん。無論SDGsへの取り組みも特筆すべきものがあります。
エアコン風直撃問題でいえば、月1で通う近所の個人病院待合室には、エアコンの直風が当たらないよう待合ソファの向きに後付けの羽(安価)が取り付けられています。hospital(病院)は、ホスピタリティの語源であるhospes(ホスピス)から派生した言葉と言われていますが、この病院へ行く度にある種のホスピタリティを感じます。