豪の猛暑 鍵をにぎる熱帯の大気 日本も一時気温上昇へ
オーストラリアのメルボルンで開催中の全豪オープンテニスは、40℃を超える猛暑により、失神や嘔吐する選手もいるなど、たいへん厳しい戦いとなっているようです。
このニュースを見た時に、「あれ?前にもあったぞ」と思い調べてみたところ、5年前の2009年も同じく猛暑の中で行われていました。この時は、オーストラリア南東部で「史上最悪の山火事」とよばれる大規模な火災が発生するなど、乾燥と暑さにより、各地で山火事の被害が出ています。
5年前も今年も、共通しているのは、オーストラリアの北の熱帯付近で上昇気流が強まり、そこから南へ流れて下降した気流が、オーストラリアの高気圧を強める一因になっているということです。
気象衛星で見ると、下降気流が強まり高気圧に覆われているオーストラリア東部は雲がほとんどなく真っ黒な一方、オーストラリアの北の熱帯付近では上昇気流により積乱雲が大量に発生しています。
「天候のスタートは熱帯」とも言われるほど、熱帯の活動は各地の天気に大きく影響します。
たとえば、北半球では冬に、インドネシア周辺の熱帯域で上昇気流が強まると、中国大陸で偏西風が北へ押し上げられる一方、日本付近では偏西風が南へ下がって、日本列島に寒波がやってきやすくなります。この冬も、何度か見られた形です。
ただ、この先しばらくは、こういった形が見られず、1月23日前後からは日本列島でも、気温が上昇。関東から西では15℃前後まで上がる日が出てきて、特に西日本では20℃を超える所も出てくるかもしれません。
そう言えば、5年前にオーストラリアが猛暑に襲われている時も、日本列島は寒波が来ず、気温が平年を上回りました。
おそらく、1月末頃からはまた寒波が来て、2月も寒さが続きますが、これまでよりも寒波が休み休みになる兆候が出てきているのかもしれません。