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予約済みGo Toトラベルはどうなる?札幌市・大阪市への12月15日までのキャンセルは12月3日まで

鳥海高太朗航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
札幌の時計台。感染者拡大の11月初旬より観光客が減少(2020年9月、筆者撮影)

 Go Toトラベルの札幌市・大阪市を目的地とする旅行の一時除外、札幌市・大阪市在住者への旅行自粛に伴うキャンセル料なしでの払い戻しで旅行者も現場も混乱している。

 11月24日(火)夜、西村康稔経済再生担当大臣と赤羽一嘉国土交通大臣が揃ってGo Toトラベルの札幌市・大阪市を目的地とする旅行において12月15日(火)まで除外とすることを明らかにし、新規予約の停止とキャンセル料無料での対応、更に既存予約については12月2日~15日出発分までは適用できず、キャンセル料なしでの払い戻し、予定通りの場合には追加料金の支払い、もしくは予約の取り直しの対応となった。

 更に11月27日(金)夜には札幌市・大阪市に在住する人が12月15日(火)Go Toトラベルで旅行をする場合に、11月27日(金)19時~12月7日(月)24時までに旅行を取りやめる場合にキャンセル料なしでのキャンセルが可能となった。ただし予定通りにGo To割引を受けての旅行も継続されている。

 旅行者からはルールが細かすぎて、わかりにくいという声が多く聞こえることから、11月28日午前7時現在の運用状況について整理してみた。

日本全国から札幌市・大阪市への旅行におけるGo Toトラベルの運用状況(11月29日朝7時現在)

1:11月24日(火)~12月15日(火)24時までに出発する札幌市・大阪市を目的地とする旅行の新規予約の停止

2:11月24日(火)~12月15日(火)24時までに出発する札幌市・大阪市を目的地とする旅行を11月24日20時までに予約した場合においては、12月1日(火)出発分まではそのままGo Toトラベルの割引(35%分)及び地域共通クーポン(15%分)の発行が受けられるが、12月2日(水)~15日(火)出発分までは適用を停止。

3:11月24日(火)~12月15日(火)24時までに出発する札幌市・大阪市を目的地とする旅行においては、12月3日(木)24時までに取消することで、キャンセル料なしでの旅行の取りやめが可能に。

→12月4日以降にキャンセルする場合には、通常のキャンセル料が旅行者に請求されることから、12月4日~15日の旅行を取りやめる場合には必ず12月3日までにキャンセル手続きを行う必要がある。

観光客が多く訪れる大阪の道頓堀・戎川。Go To除外以降、観光客が大きく減少しており、大阪を訪れる場合にも繁華街に立ち寄らないルートに変更している人も多い(2020年7月、筆者撮影)
観光客が多く訪れる大阪の道頓堀・戎川。Go To除外以降、観光客が大きく減少しており、大阪を訪れる場合にも繁華街に立ち寄らないルートに変更している人も多い(2020年7月、筆者撮影)

札幌市民・大阪市民のGo Toトラベルの運用状況(11月29日朝7時現在)

1:札幌市・大阪市に在住する人が12月15日(火)Go Toトラベルで旅行をする場合に、11月27日(金)19時~12月7日(月)24時までに旅行を取りやめる場合にキャンセル料なしでの払い戻しが可能

2:12月15日(火)24時まで札幌市民と大阪市民のGo Toトラベル事業を利用した旅行を控えるように要請しているが、札幌市・大阪市を目的地とした以外の旅行先については、従来通りにGo Toトラベルを使った旅行予約(新規予約も含む)も可能であり、予約済みのGo Toトラベルを使った旅行に予定通りに出発する場合もGo To割引と地域共通クーポンの発行は継続される。

→札幌市・大阪市在住者の旅行においては、取りやめる場合にはキャンセル料なしでのキャンセル(ただし12月7日まで)ができるが、それ以外の運用は従来と変わっていない。

札幌・すすきの交差点。大阪以上に観光客が大きく減少している(イメージ写真、2020年9月筆者撮影)
札幌・すすきの交差点。大阪以上に観光客が大きく減少している(イメージ写真、2020年9月筆者撮影)

Go To予約済みのシチュエーション別の対応方法

Go Toで予約済みの札幌市・大阪市を目的地とする12月1日(火)までの出発分

 予定通りに出発する場合は今まで同様にそのままの割引額で旅行・宿泊が可能。地域共通クーポンも発行される。ただし、旅行を取りやめる場合は、キャンセル料なしでの払い戻しが受けられる。(ただし、出発前にキャンセル手続きを済ませる必要があるなどの条件があるので注意)

Go Toで予約済みの札幌市・大阪市を目的地とする12月2日(水)~15日(火)出発分

 キャンセル料なしでの払い戻しで旅行を取りやめるか(12月3日までのキャンセル手続きが必要)、予定通りに出発する場合にはGo Toトラベルの割引適用前との差額(35%分)を追加で支払うか(地域共通クーポンは発行されない)、もしくは一旦キャンセルしてGo To適用なしで再予約するなどの手続きが必要となる。

 宿泊のみの場合で現地払いの場合はGo To適用前の金額で請求されるほか、支払い済みの場合には原則差額の精算となる。パッケージツアー商品は旅行会社によって対応が異なるので、問い合わせして対応を確認する必要があるが、多くの旅行会社では個別に対象となる旅行者に連絡を取っているケースが多い。

Go Toで予約済みの札幌市民・大阪市民の11月27日~12月15日出発分(札幌市・大阪市を目的地する旅行を除く)

 予定通りに出発する場合は今まで同様にそのままの割引額で旅行・宿泊が可能。ただし、旅行を取りやめる場合には、11月27日(金)19時~12月7日(月)までにキャンセル手続きした場合にキャンセル料なしでの払い戻しが受けられる。12月8日(火)以降のキャンセル手続きの場合は通常のキャンセル料が旅行者に請求される。

徳島県のお遍路巡りもこの週末、関西方面からも多く人が訪れていた(第21番の太龍寺にて11月28日筆者撮影)
徳島県のお遍路巡りもこの週末、関西方面からも多く人が訪れていた(第21番の太龍寺にて11月28日筆者撮影)

Go Toトラベル公式サイトの更新遅延が問題に

 最新の情報はGo Toトラベルの旅行者向け公式サイトで掲載されている。しかし、11月24日の夜に発表された札幌市と大阪市を目的地とする旅行における一時除外については、翌日(25日)の午前10時過ぎまで公式サイトに掲載されず、それまでは報道で出ている情報しかなく、旅行者が混乱する事態になった。特にこの週末(11月28日・29日)に札幌市・大阪市へ旅行を計画していた旅行者は、出発日が近づくなかでどうすべきかわからずに、途方に暮れた人も多かった。

 同時に旅行会社・宿泊施設へのGo Toトラベル事務局からの今回の一時除外における業務連絡のメールも、同様に翌日の午前10時過ぎになったことで、旅行会社・宿泊施設側も対応に苦慮し、お客様への対応を決めるまでに時間を要することになった。更に札幌市・大阪市在住者の旅行自粛に伴うキャンセル料なしでの払い戻し対応も金曜日(27日)夜に突如発表されたことで、週末前ということを考えると金曜日の午前中までに発表して欲しかったという声も旅行会社からは聞かれた。

 今後、東京都の対応が注目されるが、政治判断による突然の発表があったとしても、混乱を最小限にするべく、すぐに旅行者、旅行会社・宿泊施設側に周知できる体制を整えるべきだろう。

航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

航空会社のマーケティング戦略を主研究に、LCC(格安航空会社)のビジネスモデルの研究や各航空会社の最新動向の取材を続け、経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオなどでニュース解説を行う。2016年12月に飛行機ニュースサイト「ひこ旅」を立ち上げた。近著「コロナ後のエアライン」を2021年4月12日に発売。その他に「天草エアラインの奇跡」(集英社)、「エアラインの攻防」(宝島社)などの著書がある。

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