テレビ盗難!? 100万円踏み倒しにモンスター客・・・ホテルトラブルあれこれ
日々ホテル取材をしているとホテルのトラブルに関することも話題になることがある。キーワードと共に一部紹介したい。
【スキッパー】宿泊代や飲食代などを支払わず逃げる人。詐欺罪に問われることも。
某女性タレントの箱根での事件が記憶に新しい。このケースでは100万円単位になった。エリートサラリーマン風、子連れのファミリーがというケースも。デポジット(前受金)を預からず後払いにするケース、宿泊以外にもレストランやショップなどある高級ホテルというケースでこうした被害が見られる。特に高級ホテルなどではデポジットを請求すると怒ってしまうゲストもいるが、フロントスタッフの人を見る目がものをいう場面も。対策として最近では高級ホテルでも、当日予約やウォークイン(飛び込み客)はデポジットを請求するのは一般的だ。
【ノーショー】予約しながら連絡もせず現われない人。無断不泊。
予約サイトでリザーブする人も増える中、ノーショーをするとペナルティが科せられることがある。とはいえ偽名、偽連絡先での予約か電話など身元が明確でない場合にキャンセル料の債権回収は困難。クレジットカード事前決済や、前受金振り込みなど対策する施設も。
【UGゲスト】Undesirable Guest「招かざる客」
モンスター客に代表されるような過度な苦情も度を超すと「UG(Undesirable Guest)「招かざる客」」という称号を与えられることがある。スキッパーやノーショーはもちろんUGゲストであるが同じくUGとして最近話題になるのが備品を持ち帰ってしまうケース。インバウンドに多いというホテル関係者の声も。テレビを持って行かれたという例もあり、最近ではテレビにチェーンをつけているホテルがあるくらいだ。
まだまだ多様なケースがあり枚挙に暇が無いが、次に実際にあったモンスター客の要求例もみてみよう。
・バスルームの排水が悪い→冷蔵庫の飲み物を全てタダにしろ
・チェックインで待たせすぎ→スイートルームを使わせろ
・ロビーの段差でつまずいた→床を削れ
・ルームサービスで食事中に料理がこぼれた→新しい洋服を弁償しろ
・予約日を間違えて予約した客→ホテルが間違えたのに気分が悪いからタダで泊めろ
・駅で大事な書類をなくした→駅と直結しているホテルだから責任をとれ
・近場の美味しい飲食店を教えた→不味かったから弁償しろ/宿泊代タダにしろ
苦情からはじまるゲストとの縁
一方で苦情が新たなサービス誕生のきっかけになることもあるという。朝忙しい中、フロントでのチェックアウト手続きに時間がかかるということで、自動チェックイン機の導入は多く見られるようになった。「苦情の際に真摯に話をした結果、リピーター顧客になっていただいた方というのも多い」とはあるホテルマン。「立腹の方にひとまず納得していただいた上で、次回の宿泊からは担当者に直接予約が入りその後も徐々に親しくなり、何年もお付き合いさせて頂いている」ということも。苦情からはじまるゲストとの縁といったところだろうか。