アートのようなデザート。絵画の巨匠サルバドール・ダリも愛した冬の特別なスイーツ『トゥロン』
冬の寒さもほんのり甘く感じるスイーツ。世界中にはさまざまなデザートが存在し、特にクリスマスや新年の時季には多くの人々に親しまれます。
そこで今回は、芸術の巨匠であるサルバドール・ダリも愛したと言われる、夢幻的なスペインの伝統的なお菓子『トゥロン』をご紹介します。
デラビューダ アーモンドトゥロン 150g 972円(税込)
原産国:スペイン
輸入者:ウイングエース株式会社(東京都港区虎ノ門)
購入は、東京の日比谷シャンテで、24年間世界中の輸入食材を取り扱う株式会社ホリ・コーポレーショングループの輸入食品専門店『キッチンガーデン』より。
世界中からセレクトした2,000種類以上の輸入食材を取り扱う『キッチンガーデン』。輸入菓子ブロガー・タマアニのお気に入りのお店の一つです。
『トゥロン(Turrón)』は、ラテン語の「トースト」に由来し、主にアーモンドやナッツと蜂蜜を主成分とするスペイン版ヌガーのような固形の菓子です。
このお菓子は、もともとアラビア半島のアラブ人によって生み出され、ムーア人が地中海を経て6世紀から11世紀ごろにスペインやイタリアにもたらされたと考えられています。また15世紀ごろハプスブルク家の「スペイン王フェリペ2世」は、トゥロンを宮廷のクリスマス料理に取り入れ、王族のスイーツとして歴史的な名声を築いたと言われています。
写真上:ヒホナ。下:アリカンテ
現在のトゥロンは、アリカンテ地方の特産品アーモンドと強く結びついており、アーモンドを挽いて柔らかくしたソフトヌガー『ヒホナ産のトゥロン (Turrón De Jijona)』と、アーモンドを丸ごと使用したハードヌガー『アリカンテ産のトゥロン(Turron de Alicante)』の2種類が一般的です。
ちなみに、サルバドール・ダリが特に愛したと言われているのが、ヒホナのトゥロンで、1922年にその感動を水彩画「最初のヌガー」に描写しています。またアリカンテ地方が生んだ硬いトゥロンもダリの心を捉えたそうです。
村松和明著
シュルレアリスムの巨匠ダリは、バルセロナで生まれた世界的なロリポップ『チュッパチャップス(Chupa Chups)』のロゴをデザインしたことでも知られています。
では、早速開けてみましょう。
開けると、まず飛び込んでくるユニークなプレートの形状と色彩。純白な生地に、淡いアーモンドがうかがえて上品な甘さを感じさせます。
原材料は至ってシンプル。「アーモンド」「はちみつ」を主原料に「砂糖」、「ウエハース」、「卵白」のみの5種。これらの材料を絶妙なバランスで調和させ、硬くても歯切れの良い食感を持たせるのが特徴です。
真っ白でプレート状になったトゥロン。7ピースがガッチリ固まり、食べるのに割る必要があります。
上下の柔らかいウエハースと対象的に、中は硬いアーモンドでギッシリ。ピュアなホワイトを全面に使用した美しいお菓子です。
惜しげもなくギッシリと詰まったアーモンドは、歯切れよくゴキュゴキュとインパクトのある噛み応えを楽しませてくれます。そして、アーモンドの芳醇な香りが蜂蜜の微かな甘さと調和。言葉にできないほどの香ばしさを感じさせる絶品な味わいでした。
ダリの奇想天外な世界とスペインの伝統菓子「トゥロン」。ぜいたくな冬のデザートとして楽しむことができそうです。ぜひアーモンドと蜂蜜のシンプルなマリアージュをあじわって、そのうっとりする誘惑に身をゆだねてみてくださいね。