【向日市】国の登録有形文化財にも登録されている住宅でシュワっととろけるスフレを食べながら昭和歌謡満喫
日本最初の有料架橋と言われる一文橋から西国街道へ入った所にある「中小路家住宅」は、弘化五年(1848年)の正月に居宅建て替えをして以来、大きな変更なく維持されてきました。高く腰板を張った土蔵造りの内蔵と外蔵、西国街道に面して南から軒まで漆喰塗り込めとした穀蔵、出格子窓をつけた長屋門、木小屋と塀が連なり、何とも風情のある旧家の屋敷構えを今に伝えています。
そんな中小路家住宅で「懐かしのフォークギターコンサート」が2024年12月1日に開かれました。演奏してくださったのは、T-1ライブグランプリ2018の審査員特別賞を受賞。大阪や京都の各地で歌声喫茶を開催し、FMおとくにのパーソナリティーとしても活躍する「みっくん」こと今村光志さんです。
懐かしいフォークソングや昭和歌謡が弾き語りで聞けるとあって、会場は満席。22歳の別れ、海岸通りなどかぐや姫、イルカからILOVEYOUの尾崎豊や美空ひばりのあいさんさんまで210曲のレパートリーの中からリクエストに応じて包み込まれるような美声を聞かせてくだいました。
なごり雪は全員で合唱。学生から年配の人まで老若男女の参加した人たちは、「みんなで歌えるのがいいよねえ」と口々に感想を述べあっていました。ミルクティーとホットスフレを注文したのですが、これがまた、温かくとろけるような生地の中からシュワっとチーズの旨味が口の中に広がって美味し過ぎでしたよ!
中小路家を守ってきたのは、平安時代に菅原道真が藤原一族との政争に敗れ、太宰府に降下した際に一族として同行し、後に開田天満宮(現在の長岡天満宮)を造立した中小路家の流れを汲む人々だそうです。長岡天満宮の宮司さんも中小路氏が代々世襲しています。そういえば、現在の長岡京市の市長さんも中小路さんですよね! まさに地元の名士さんですね。
そんな由緒ある中小路家の人々が、近隣の人たちの憩いの場になればとイベント会場として公開すると大好評。「ここでお茶を飲みたい」との要望が上がり、主家の一室を大正ロマン風の喫茶にしました。オーナーが少しずつ集めてきたという美しいカップで淹れてくれるコーヒーとホットケーキやチーズケーキなどが人気です。
「中小路家住宅」 (外部リンク) 向日市上植野町下川原48(075)921-2657