都議会議員選挙2021の裏テーマは女性議員割合先進国最低の日本の政治を変えられるか!
いよいよ東京都議会議員選挙も7月4日(日)投票日を迎える。
今年3月、IPUが、世界の国会議員で女性の占める割合が平均25.5%だと発表した。
1995年時には11.3%だったことを考えれば、世界における女性参加の推進とともに、世界においては政治の世界においても2倍近く女性が増えたことになる。
ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)と言われる昨今においては、もはや女性を切り取って人数や率がということ自体にも違和感もあるが、こと政治の世界においては、そんな常識が通じない程に悲惨な状況と言える。
その状況は、とくに日本においては酷く、日本の衆議院議員における女性割合は9.9%しかなく、世界に於けるその順位は166位と、G7の諸国の中では最低となっている。
既に世界では、この問題に積極的に取り組んでおり、昨年国政選挙が行われた
57カ国のうち25カ国では議席や候補者の一定割合を男女に割り当てるクオーター制を採用している。
こうした女性議員の割合については、以前書いた『先進国最低世界158位の「女性議員比率」。最低の政党は?都道府県は?』も見てもらえればと思う。
図1: 都議会議員における女性議員数と女性議員割合の推移
出典: 筆者作成
話は、都議会議員選挙に戻るが、これまでの都議会における女性議員数の推移と割合の推移を見ていくと、2013年に25人だった女性議員数は、都民ファーストの圧勝もあって36人まで増え、女性議員割合は、19.7%から28.3%へと急激に上昇した。
今回の都議会議員選挙は、自民党の大復活がほぼ既定路線となっており、マスコミ報道ももはや注目すべきは自公が過半数取れるか程度になってきている。
こうした自公が圧倒的な多数を取ることが見えてくる中で、この女性議員の割合についても旧態然とした都議会に戻ってしまわないようにできるかは、今後のこの国の女性活躍推進やD&Iを進めていく上でも、非常に注目したいと思う。
図1: 都議会議員における女性議員数と女性議員割合の推移(2013・2017)
出典: 筆者作成
この女性議員割合について政党別にも見ていく。
この割合に最も貢献しているのは共産だ。
2013時点から64.7%と高く、2017年も68.4%とほぼ同率だった。
2017年の全体割合を急激に上げたのは、やはり32.7%と割合の高い都民ファーストが18人の女性議員を誕生させたことが大きい。
今回は、この都民ファーストが大幅に減ると言われる中で、何人、女性議員を残せるかは重要な要素と言える。
党名は選挙ごとに変わっているが、立憲(民進・民主)は2013年も2017年も女性議員がゼロというのはリベラル政党でありながら都議会になると男性社会ということにややビックリだった。
こうした中、選挙最終盤の中にもボーダーラインにありそうな女性議員、女性候補者たちがいる。
例えば、大田区選挙区(定数7)で熾烈な争いをしている「もり愛」(都民)や、北区選挙区(定数)で激戦を争う「佐藤こと」(維新)などがそうだが、上位はそろそろ動かなくなっているとも言えるが、最後の枠を争う激戦選挙区では、女性議員を増やせるか増やせないかが問われていたりする。
上記2選挙区以外にも女性議員が増やせそうな選挙区はいくつかある。
選挙の情勢が決まりつつある中で、こうした視点を持って、世界水準の政治に日本の議会も追いつかせていくために、投票に行くというのはどうだろうか。