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久しぶりにヘッドマウントディスプレイを試したら凝視するほど綺麗でした

木村ヒデノリテックジャーナリスト/兼業主夫

 この手の製品、正直今まであまり信用していませんでした。

 こんにちは、テックジャーナリストで兼業主夫のヒデです。今回このGOOVIS G3 Maxのオファーがあって試すまではまさかこんなに綺麗だとは想像もしていませんでした。これなら本当に実用的な意味で、映画鑑賞やパソコン作業が可能です。

クオリティの高さに驚かされたGOOVIS G3 MAX
クオリティの高さに驚かされたGOOVIS G3 MAX

高品質な通常動画のほか、サイドバイサイドの3Dも鑑賞できるようになっている
高品質な通常動画のほか、サイドバイサイドの3Dも鑑賞できるようになっている

専用のキャリングケースで持ち運びもかなり楽
専用のキャリングケースで持ち運びもかなり楽

 これまでのヘッドマウントディスプレイ製品はプロモーションでは「大画面!綺麗!」と期待値が上がるものの、いざ使うとがっかりしてしまうものがほとんど。それがこのGOOVIS G3 Maxは期待を裏切らない満足度でした。

 高校時代に体験したEye-Trekを考えるとここまで進化したのかぁ..と感慨深い気分です。

ヘッドマウントディスプレイの初代、オリンパスのEye-Trek
ヘッドマウントディスプレイの初代、オリンパスのEye-Trek

私の記事ではYahoo!ニュースの規約に準ずる範囲で企業から製品の提供や貸し出しを受けて書いています。しかしながら、実際に使ってみて記事を書く基準に達していないと感じられた製品、また良いと思う点よりも大幅に悪い点が上回る製品に関しては全て返却して記事化を見送っています。企業からの報酬等も一切ありません。

凝視するほど綺麗な画質がとにかくすごい

 つい最近のMeta Questですら画質に不満を持っていたのに、こんなに画質が綺麗だなんて思いもしませんでした。これが正直な感想です。Questでは工夫すれば高画質コンテンツが見れるものの、やり方がかなり煩雑。YouTube360という専用アプリでは高画質コンテンツはある程度の画質にダウンコンバートされてしまって、お世辞にも綺麗とは言えない状況でした。

今まではよく見ると左のようにカクカクしてしまっていた
今まではよく見ると左のようにカクカクしてしまっていた

  一方でGOOVIS G3 Maxで映像を見た瞬間、その鮮明さに驚きます。この製品は基本的に「バッテリー非搭載の外付けディスプレイ」という位置付けなので、パソコンやスマートフォンに接続して使うことになります。その点に関しては単体でバッテリーも内蔵し動いてくれるMeta Questなどより利便性は落ちるものの、ひとたびコンテンツを視聴すればその体験は唯一無二と言えるほど良いものになります。

コンテンツ視聴一発でわかる綺麗さ
コンテンツ視聴一発でわかる綺麗さ

 さらにオプションの「D4 Dongleメディアプレーヤー」を使えばスマホと同じくらいの本体から電源を供給しつつ、Android TVが使えるようになります。これで初めてDisney+のアソーカを見た時の驚きは今でも衝撃的。凝視すればするほどキャラクターのまつ毛など細かい部分が見えてくるんです。ピクセル感が気になっていたこれまでのヘッドマウントディスプレイとは明らかにレベルが違いました。

オプションのメディアプレーヤーを使うとNetflixなど主要なストリーミングサービスがスタンドアロンで使えるようになる
オプションのメディアプレーヤーを使うとNetflixなど主要なストリーミングサービスがスタンドアロンで使えるようになる

軽くてずっと着けていられる

 AppleのVisionProも非搭載を選択していますが、バッテリーを内蔵しない形式はとにかく軽い。GOOVIS G3 Maxは340gという驚愕の軽さなので、長時間装着していても全く問題ありません。

とにかく軽いし、パーツもシンプル
とにかく軽いし、パーツもシンプル

 さらに、鼻や目の周りから光が入らないようしっかりと工夫されているのでピッタリ装着すると真っ暗になって集中できます。これなら飛行機や電車で移動中も集中して作業や映画鑑賞ができますね。(電車では骨伝導など周囲の音を聞ける状態にしていないと乗り過ごしそうですが...笑)

光が入ってこないので集中できるのもGOOD
光が入ってこないので集中できるのもGOOD

内蔵スピーカーはチープだがBluetooth対応なので問題なし

 スピーカーは内蔵されているので音漏れを気にしない環境なら単独でも楽しめますが、おすすめは良いワイヤレスヘッドフォンと組み合わせる使い方です。

 GOOVIS G3 Maxはあくまでモニターなので、映像の出力機器にヘッドフォンをワイヤレス接続すれば高品質のオーディオも楽しむことができます。例えばiPhoneとGOOVIS G3 Maxを接続し、音声はiPhoneに接続したAirpods Maxで聴く、といった具合です。

本体から先はHDMI接続なので、さまざまな機器に対応。接続先の機器のスペックで高品質な音声出力可能なのも良い
本体から先はHDMI接続なので、さまざまな機器に対応。接続先の機器のスペックで高品質な音声出力可能なのも良い

 これならスペーシャルオーディオも適応されますし、高音から低音まで余す所なく出力されて非常に満足感があります。

パソコン作業も問題なし、裸眼で使えるのがポイント

 Macbook Proにも接続してみましたが、本体のディスプレイを超える広さで作業ができます。

 画面は4K設定でも細かい文字が見えるほど鮮明ですが、個人的に一番作業がしやすかったのは2560 x 1440のサイズ。私は自宅で50インチのモニターに4K出力して画面を5〜6分割したアプリで埋め尽くして使っていますが、同じような使い方が可能でした。

普段こんな感じで大画面を分割して使っているので、外出先でもこの環境で作業できるようになるのはめちゃくちゃ便利
普段こんな感じで大画面を分割して使っているので、外出先でもこの環境で作業できるようになるのはめちゃくちゃ便利

 Macbook Pro搭載のディスプレイではこれができず、外出先の作業で窮屈な思いをしていたので、これができるのは最高!

 さらに裸眼で使えるのも目玉の一つです。兼業主夫という関係上、仕事をするのが早朝や子供が寝静まってから、というタイミングが多々あります。今まではコンタクトレンズを無理やり装着し続けてやっていた(眼鏡だとやっぱり効率が落ちる...)んですが、GOOVIS G3 Maxなら左右の視度調整で裸眼でもくっきりはっきり見ることができるんです、これが本当に便利。

レンズの左右調整だけでなく、視度調整ができるのでコンタクトやメガネの心配がいらない
レンズの左右調整だけでなく、視度調整ができるのでコンタクトやメガネの心配がいらない

 お風呂に入って、コンタクトも外して、さてもうひと頑張り...という時に目がものすごく楽な上に大画面で作業できるようになったので重宝しています。

3Dのコンテンツを再び見たくなった

 これもかなり意外に良かったのは3D機能。サイドバイサイドという、正方形を視差に合わせて左右に並べた形式で3Dコンテンツを楽しめます。

 最初このコンテンツを探すのに難儀しましたが、YouTubeで「3D Sidebyside」とか「3D SBS」とかで検索すると出てきます。左右に別の映像を映すので画質が低下しそうですが、実際やってみると両目で4Kコンテンツを見るのとほとんど変わりません。

 アバターのトレーラーがちょうど4Kで配信されていたので見てみたのですが、これが感動もの。いっとき3Dで見られるテレビなんかが流行ってBlu-rayでもそうしたコンテンツが売られていますが、再び見たくなりました。

 私自身はCanonのVRレンズを持っていて、綺麗な風景は8KVRで撮り溜めてきたんですが、これまで高画質で再生する方法がいまいちありませんでした。それがこのGOOVIS G3 Maxならボタン一つ、また複雑な映像の書き出し処理もせずに楽しめてしまうんですから、撮影するモチベーションの方も俄然上がりますね。

こいつで撮るコンテンツを再生するデバイスとしても今後が楽しみ
こいつで撮るコンテンツを再生するデバイスとしても今後が楽しみ

 Apple VisionProが来年登場すればこうした3Dコンテンツは再び注目されるでしょうから、今後を考えても役立つ機能だなと思いました。

大画面感だけもう少し欲しかった

 画質に関しては申し分ないのですが、大画面感はちょっと不満。例えるなら映画館の真ん中よりちょっと後ろで鑑賞しているような印象。

 覗いた時に「めちゃくちゃ大画面だ!」とはならず、視野の左右に3cmほどは余裕があります。これは少々残念。もう少し左右の目の端までいっぱいに画面が出てくれれば 申し分なかったでしょう。

 ただ、大画面すぎると酔うリスクも出て来ます。ヘッドマウントディスプレイではないんですが、自宅で100インチを超える投影で映像を見た際のほとんどで酔うトラブルが発生しました。これを考えるとこのサイズ感がちょうど良いのかもしれません。

 GOOVIS G3 Maxは120Hz表示にも対応しているので、対応のゲームであればかなり快適なプレイも可能です。この時も画面が大きすぎるとリスクがあるので、そういうケースでもこのサイズ感はメリットなのかもしれません。

 それにしてもこの軽さ、小ささでこの高画質が実現できるとは...時代は進みましたね。頭につけるタイプのディスプレイではこれまでにないクオリティを提供してくれる製品でした。

テックジャーナリスト/兼業主夫

バークリー音楽大学映画音楽作曲科卒。家事育児をしながらレビュー記事や動画を作っています。ガジェット好きが高じて築50年団地をスマートハウスにリノベ、沸騰ワード10で紹介されました。家事時短できる製品から育児に役立つハイテクおもちゃまで幅広く紹介していけたらと思っています。

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