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9月末時点の日本国債の保有者

久保田博幸金融アナリスト
日銀資金循環統計を基に著者作成

 日銀は12月18日に2024年第3四半期の資金循環統計(速報)を発表した。

資金循環統計(速報)(2024年第3四半期)

https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sj.htm

 9月末の個人の金融資産額は2179兆3763億円となり、9月末から減少し8四半期ぶりに減少した。個人の金融資産の内訳は現金・預金が前年比で0.3%増の約1116兆円。株式等は同7.2%増の約285兆円、投資信託は同23.3%増の約125兆円となっていた。

 これを基にして国債(短期を除く)の保有者別の内訳を算出してみた。2024年9月末時点の国債残高は1081兆4946億円となっていた(この統計では時価総額となっている)。保有者別の内訳は下記の通りとなる。

中央銀行(日銀)、569兆3306億円、52.6%
保険・年金基金、223兆8957億円、20.7%
預金取扱機関(銀行)、99兆1703億円、9.2%
海外、70兆4615億円、6.5%
公的年金、60兆9030億円、5.6%
家計、14兆5493億円、1.3%
その他、43兆1842億円、4.0%

 日銀の国債保有比率は52.6%と前回の53.2%から低下した。前期比での保有額そのものは約4.5兆円増となっていたが、統計が時価総額となっている点にも注意。

 海外が5.6兆円増、保険・年金基金が3.7兆円増、預金取扱機関が約1.7兆円増となっていた。

 短期債を含めた国債全体の数字でみると9月末の残高は約1224兆円。このうち日銀が約572兆円で46.7%のシェアに。海外勢の残高は約146兆円と短期債を含めると国債全体の12.0%のシェアとなっていた。

 日銀は7月31日の金融政策決定会合にて、長期国債買入れの減額について月間の長期国債の買入れ予定額を原則として毎四半期4000億円程度ずつ減額し、2026年1~3月に3兆円程度とする計画を決定した。8月1日以降に減額がスタートしている。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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