バレンタインデーに向けてチョコはいつ頃買われているのだろうか、その実情をさぐる
・2017年のバレンタインデーに向けてはチョコレートの支出額は2月13日が一番高かった。
・チョコレート菓子はバレンタインデーもホワイトデーもほとんど変化無し。
・ホワイトデー間近ではバレンタインデーほどでは無いものの、チョコレートも他の洋生菓子も支出額が高くなる。
2月14日のバレンタインデーに向けてチョコレートの話題には事欠かない昨今。実際にはいつ頃チョコは買われているのか。総務省統計局が定期的に調査を実施し、その結果を公開している「家計調査」を元に確認していく。
「家計調査」では二人以上世帯(原則夫婦世帯)においてのみ、日次の動向に関わる調査も行われている。世の中全体の動向を推し量るのには総世帯(単身世帯+二人以上世帯)の値が望ましいのだが、存在しない以上仕方が無いので、この二人以上世帯における日々の支出(=消費)額を元に、「チョコレート」、そしてその類似品でありバレンタインデー用のギフトとして購入されうる「チョコレート菓子」がバレンタインデーに向けてどのように買い進まれていくのかを確認する。
加えて「他の洋生菓子」も調査項目として追加する。これはバレンタインデーはともかく、その翌月のホワイトデーで対象となる種類の菓子が含まれるからである(なお「キャンデー」も単独項目として「家計調査」には用意されているが、バレンタインデー・ホワイトデーともに特異な動きは無かったので、今回は省略する)。それぞれの商品区分は次の通り。
●チョコレート
・原則として、チョコレート生地の重量が60%以上のもの。
例…アーモンドチョコレート、麦チョコ
●チョコレート菓子
・原則として、チョコレート生地の重量が40%以上60%未満のもの又は準チョコレート生地が60%以上のもの。
●他の洋生菓子
・エクレア シュークリーム
・ワッフル クレープ バームクーヘン
・アップルパイ
・ロールケーキ パウンドケーキ マドレーヌ
・ババロア ムース
・スイートポテト
現時点で日次データが取得できるのは2017年11月分まで。そこで前年度に該当し、バレンタインデー関連の動向を推し量れるように、2016年12月から2017年3月までの日々の支出に関して、「チョコレート」「チョコレート菓子」の金額を確認する。
日取りによる影響もあるが、2017年のバレンタインデーでは2月13日(月曜)の購入額が最高額で、11日(土曜、建国記念の日で祝日)と比べて12日(日曜)はやや額が落ちる。仕事帰りにバレンタインセールをしている店や駅の売店で調達した人が多かったのかもしれない。ただし14日当日(火曜)でも購入額は124.12円とそれなりの高い額を示しており、当日に購入して手渡しをするパターンもあるのだろう。
また「チョコレート菓子」はバレンタインデーやホワイトデーに関して、イレギュラー的な動きは無い。バレンタインデーなどはあくまでもチョコレートのイベントであり、チョコレート菓子はほとんど無視されると見てよい。
ホワイトデーといえばキャンデーやマシュマロのような洋菓子がイメージされるが、キャンデーについてはほとんど動きが無いものの、「他の洋生菓子」は明らかにホワイトデーに向けた上昇ぶりを見せている。ただし額面はバレンタインデーの「チョコレート」にははるかに及ばず。興味深いのはホワイトデーの直前に当たる3月12日(日曜)にも「チョコレート」の販売額が伸びていること。ホワイトデー用のギフトとしても、チョコレートの類が用いられる事例は少なからずあるようだ。
ちなみにバレンタインデーにおいては、チョコレートだけで無くケーキの類もギフトとして用いられるケースがある。しかし2017年においては明確な支出額の上昇振りは見られなかった。
12月24日は当然クリスマスイブ、そして3月3日はおそらくひな祭りのためにケーキが買われているものと考えられる。さらに興味深い話だが、バレンタインデーやひな祭りでは見られない現象として、クリスマスイブの翌日、クリスマス当日にも「ケーキ」は高い値を計上している。イブでは無くてクリスマス当日にケーキを食べようとの動きに加え、ピークとなるイブを過ぎてセールス価格となったケーキを購入するパターンも少なからずあるのでは無いだろうか。
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(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。