携帯電話・PHSなど合わせて193.6%の普及率…携帯電話の最新普及実態をさぐる(2019年版)
総務省は2019年6月21日に電気通信サービスの契約数やシェア動向に関する現状をまとめた報告書「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成30年度第4四半期(3月末))」を発表した。その内容から日本の携帯電話の普及状況の推移と現状を確認する。
今回発表された報告書によると、2019年3月末時点、つまり2018年度末の携帯電話契約数は1億7773万件、PHSは206万件、さらにBWA(Broadband Wireless Access、広帯域移動無線アクセスシステム。代表的なのがWiMAX)が6624万件で、合わせて2億4603万件となり、直近の国勢調査となる2015年国勢調査における日本の総人口1億2709万4745人に対して193.6%の値(老若男女を問わず)(国勢調査は5年おきの実施のため、現時点でこの値が最新値)を示すこととなった。また、PHSやBWAをのぞいた携帯電話に限っても139.8%で、100%を突破している(下記グラフの過去の値は、それぞれの調査時における最新の国勢調査の結果を用いている)。
この数年「携帯電話+PHS+BWA」の上昇幅が大きくなっているが、これは高齢層への携帯電話の普及の加速化(「家族割」など、通話料金が格安・無料になる世帯向けサービスの浸透)、スマートフォンの普及に伴う「従来型携帯電話」「スマートフォン」の2台持ちによる契約数の上乗せ、さらにはBWAの浸透、そして未成年者への携帯電話、特にスマートフォンの普及率上昇など、複数要因が挙げられる。携帯電話のみでの単純試算による普及率は2012年3月末時点で100%を超えたが、その後も上昇は継続されており、2019年3月末では139.8%にまで至っている。
携帯電話のみの普及率をもう少し幅広い期間を対象としたグラフで示すと、次の通りとなる。携帯電話の歴史そのものが語られているようで興味深い。
1995年以降の加速度的な上昇、2003年からのやや落ち着いた流れ、そしてここ数年の再加速的な上昇が手に取るように分かる。
今件はあくまでも単純に頭割りした結果としての普及率の動向だが、実態としては高齢層を中心に、一部年齢階層で普及率が低迷しているのも否定できない。そしてそれはデジタルデバイド(技術的格差)の問題にもつながる。今後スマートフォンの普及率の上昇で、この年齢階層間のギャップ問題が少しでも解決できると喜ばしい限りではあるのだが。
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