月ぎめ新聞購読者58.1%…月ぎめで新聞を取っている人の実情(2023年度版)
月ぎめ新聞購読者は6割近く
新聞を閲読している人の多くは世帯単位で月ごとに契約し、定期購読する「月ぎめ」での購読スタイルによるものとなる。この「月ぎめ」による購読者の実情を、新聞通信調査会が2023年10月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果から確認する。
「月ぎめ」は購読者にとっては確実に入手ができ、新聞社(新聞販売店)には固定客となるため、双方ともにメリットがある。今調査対象母集団では回答時点で58.1%の人が月ぎめで新聞を取得している。
新聞販売店では複数の新聞を取り扱っている。また複数の販売店とそれぞれ契約し、1世帯で複数の新聞を月ぎめで購入する場合もある。例えば一般紙と業界紙、業界紙とスポーツ紙、さらには複数の一般紙を購読して中身を比較するといった具合。そこで月ぎめで取っている人に対し、どのような種類の新聞を取っているのかを複数回答で聞いた結果が次のグラフ。「全国紙」とは朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、日本経済新聞を、「ブロック3紙」とは北海道新聞、中日新聞、西日本新聞を意味する。
全国紙は45.5%。意外に少ないと思う人もいるかもしれない。県紙・地方紙が40.9%、ブロック紙が13.5%。スポーツ紙や夕刊紙、その他の新聞(業界専門紙など)は1割にも満たない。全部を足すと108.8%になるため、同一区分内で複数紙を購読している可能性もあるが、それでも複数購読はさほどいないことが予想できる。
そこで「同一区分内で複数紙を購読」のうち、一番ありそうなパターンとなる全国紙に関して、何紙を取っているかを聞いた結果が次のグラフ。実は2018年度以降の調査結果では該当設問は除外されている(理由は不明)。そこで最新となる2017年度の値を適用する。それによれば4.8%が複数紙を購読している。
約21人に1人との割合が多いか少ないかは微妙なところだが、ともあれ全国紙の複数購読者はそれだけいることになる。見方を変えればごく少数でしかないため、設問をむやみに増やすのはよくないとの判断から、今項目は2018年度以降では除外されたのかもしれない。
月ぎめ新聞購読者の動向
月ぎめによる新聞購読者の動向を経年推移で、さらには属性別で確認していく。まずは経年変化。データが取得可能な2008年度以降に関し、どの種類でもよいので月ぎめで新聞を購読しているか、具体的にどの新聞を取っているか、その変化を見たのが次のグラフ。じわりと減少していくようすが分かる。
もっとも古い2008年度時点では88.6%だった月ぎめ新聞購読者も、直近の2023年度では58.1%。30.5%ポイントもの減少を示している。具体的な中身を見ると、地域性の強い県紙・地方紙はあまり変化がないが、全国紙とブロック3紙が漸減し、これが全体値を押し下げているようすが分かる。
特に全国紙の減少ぶりは著しく、2008年度から2023年度の間に5割足らずに減少している。新聞で読まれている記事の上位には「地域関連」「社会関連」が名を連ねているが、その需要によりマッチした新聞が好まれ取られ続けていることなのだろうか。
これを属性別に見たのが次のグラフ。2020年度以降では男女別の値は非公開となっている。
男女別では特に大きな違いはなく漸減、年齢階層別では70歳以上はさほど大きな減少はなかったものの、それより若い年齢階層における加速度的な減少ぶりが見られる。特に中年層における減り方は著しく(縦軸の下限がゼロではなく30%であることに注意)、他の複数項目でこの層の新聞と距離感を置く姿勢が浮き彫りにされている。そして70歳以上においても、ここ数年では大きく減少の動きを見せている次第ではある。
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※メディアに関する世論調査
直近分となる第16回は2023年7月21日から8月20日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は2871人。有効回答者の属性は男性1377人・女性1494人、18~19歳53人・20代225人・30代324人・40代454人・50代515人・60代506人・70代以上794人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。