この写真よくご覧ください。どうみても阪神電車の神戸三宮駅ですよね。でも停車しているのは近鉄特急の車両。

実はごく稀に阪神電車の神戸三宮駅に、近鉄の貸し切り列車が乗り入れることがあるんです。レアなケースなので鉄道マニアも注目のそのツアー、毎年同じ時期に実施されているのが阪神アイビートラベルが主催する「伊勢神宮初詣の旅」。

2024年は、1月3日（水）、14日（日）、20日（土）に実施。実は筆者は2022年に実施された「伊勢神宮初詣の旅」ツアーで、神戸三宮駅から近鉄特急に乗り伊勢まで初詣に行ってきました。これがその時の宇治山田駅までの近鉄のきっぷ。レアですね！

「貸切」と表示されています。通常の編成ではありえない、神戸三宮駅と伊勢市の宇治山田駅を結ぶ近鉄電車。乗る前からワクワク！

車内はこんな感じ。使われている車両は22600系 愛称Ace。鉄道友の会が制定する2010年度ローレル賞を受賞した近鉄が誇る特急車両です。2012年に、阪神線への直通運転に対応する設備に入れ替えられ、2014年3月から団体客向け臨時列車として神戸三宮駅までの乗り入れが始まりました。

車窓には神戸の六甲山が！
運行スケジュールを把握している鉄道マニアなのか、こちらを望遠レンズのカメラで撮影されている方もいらっしゃいました。それだけレアなケースなのです。

個人的には貸し切りではなく、通常の編成でも神戸三宮駅〜近鉄奈良間にこの特急車両を走らせてほしいなと思っていますが、現状では難しいのかもしれませんね。

隣のホームには、山陽電車の車両が！
近鉄奈良と神戸三宮を結ぶ近鉄快速急行の車両は珍しくもないですが、近鉄特急の車両と山陽電車が並ぶことは滅多にありません。

神戸市、芦屋市、西宮市を過ぎて近鉄特急は尼崎市へ。窓からBOAT RACE 尼崎(尼崎競艇場)が見えてます。

阪神アイビートラベルが主催する「伊勢神宮初詣の旅」の発着駅は、神戸三宮駅、西宮駅、尼崎駅の3駅。西宮市民、芦屋市民、尼崎市民の方にもおすすめ！

神戸、阪神間を軽快に走る近鉄特急にテンションアップ！神戸三宮駅を出て約3時間後には途中どこにも停車せずに伊勢市に！らくちんらくちん、近鉄特急最高ですよ〜！

終点は宇治山田駅ですが、伊勢神宮外宮の最寄り駅の伊勢市駅で下車。（ツアーでは、宇治山田駅での下車も可能）

伊勢神宮の外宮・内宮に参拝し、おはらい町、おかげ横丁を楽しみます。

神戸担当のライターなので、伊勢での詳しい様子はお伝えできませんが、とにかく神戸から伊勢まで直通特急電車1本の旅は、体の負担も少なく、特に高齢者にもおすすめ。

昼食付きプランで申し込むと、神宮会館で三重の郷土料理「てこね寿司膳」を堪能できるので食事の心配もいりません。

お正月はどこのお店も混んでるので、食事付きのツアーは助かりますね。これは2022年のツアーに参加したときの食事の写真です。2024年とは少し違うかもしれませんがご参考に。

てこね寿司とは、伊勢・志摩地域を中心に古くから食べられているもので、カツオやマグロなどの赤身の刺身がタレに漬け込まれています。美味しかったですよ。

帰りは、近鉄宇治山田駅から再び神戸三宮駅行きの近鉄特急に乗車。この宇治山田駅は国の登録有形文化財にもなっている駅で、1931年建設当時の面影を今でも残している優美な姿が魅力。（ツアーでは、伊勢市駅からの乗車も可能）

ツアーに参加すると「赤福餅」「おかげ横丁商品券 500円分」の特典も付いてきます。（2024年の場合）

夜の20時頃、伊勢を出た近鉄特急は、再び阪神電車神戸三宮駅に帰ってきました。珍しいのでスマホで車両を撮影されている方も。この車両が神戸三宮駅に停まっていると、鉄道マニアじゃない一般の方でも「おおー、なんで？？」と驚かれると思います。

いかがでしたか？ 神戸三宮から乗り換えなしの近鉄特急で行く「伊勢神宮初詣の旅」。ツアーと書いていますが、電車を降りたあとの行動は完全に自由です。ちなみに筆者が参加したのは2022年1月15日出発分。伊勢神宮、おかげ横丁もそんなに混んでいなくて快適でした。三が日の混雑を避けて中旬以降の日程もおすすめですよ。

ご興味ある方は、阪神アイビートラベルのサイトをご参照ください。

また、クラブツーリズムでも過去に「Aceに乗って阪神電車・近鉄電車直通運転 神戸三宮⇒天理⇒近鉄名古屋 22600系満喫の旅」なんていうツアーが催行されていたようです。神戸を走る近鉄特急に乗りたい方はこまめに調べておくと乗るチャンスに巡り合うかも。