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3か月ぶりの7人体制でノンストップライヴ――真っ白なキャンバス全国ツアー大阪公演レポート

宗像明将音楽評論家
写真提供:株式会社PLAYYTE

2019年を思いだすような熱気がフロアに充満していた。2024年4月7日、真っ白なキャンバス(通称:白キャン)の「真っ白なキャンバス全国ツアー 2024『私とわたし』」の大阪公演が梅田CLUB QUATTROで開催され、その会場では白キャンのメンバーとファンの間に強い共鳴が起きていた。

写真提供:株式会社PLAYYTE
写真提供:株式会社PLAYYTE

今回のツアーが発表されたのは3月19日。ツアー初日の大阪公演まで、わずか19日という状況だったが、会場に入ってみれば大盛況。関西のファンが白キャンを待ちわびていたことを感じさせた。そして、1曲目の「闘う門には幸来たる」が始まった瞬間、会場の床が激しく揺れたのだ。

橋本美桜(写真提供:株式会社PLAYYTE)
橋本美桜(写真提供:株式会社PLAYYTE)

この日は、メンバーがツアー限定の新衣装で登場。そして、1月初旬から休養していた橋本美桜が復帰し、3か月ぶりにメンバー7人全員が揃っての公演だった。「メンションガール」終盤で橋本美桜が高くジャンプする光景を見るのも久しぶりだった。

小野寺梓(写真提供:株式会社PLAYYTE)
小野寺梓(写真提供:株式会社PLAYYTE)

MCでは、小野寺梓が「今日から3か月ぶりに7人揃いました! 戻ってくる選択をしてくれたことも嬉しいし、残りのメンバーが白キャンを守ってこれたことも誇りに思っています。みんなも変わらず応援してくれて本当にありがとうございます」と述べると、橋本美桜も両手をあわせて感謝を示した。

浜辺ゆりな(写真提供:株式会社PLAYYTE)
浜辺ゆりな(写真提供:株式会社PLAYYTE)

また、今回の全国ツアーは公演ごとにテーマが異なることがアナウンスされていたが、浜辺ゆりなが大阪公演のテーマは「ノンストップライヴ」であることを発表すると、会場からはどよめきが。「HAPPY HAPPY TOMORROW」のイントロが鳴るなか、2020年に白キャンに加入した浜辺ゆりなは以下のように続けた。

「私が加入して初めて大阪に来たときはコロナ禍で着席だったし、声も出せなかったんですけれど、今はコールもできるし、新しく知ってくれたみんなもいるし、また7人に戻れて、ゆりなはすごく嬉しいです。これからもついてきてください、ここから先も一緒に楽しんでいきましょう!」

麦田ひかる(写真提供:株式会社PLAYYTE)
麦田ひかる(写真提供:株式会社PLAYYTE)

以降、10曲ノンストップで披露されることになり、「Whatever happens, happens.」では麦田ひかるのダンスの切れ味が増していることにも驚いた。歌とパフォーマンスで魅せる「セルフエスティーム」のような楽曲も7人で披露。代表曲である「SHOUT」では、この日もっとも激しく「MIX」と呼ばれる掛け声やコールが響いた。

西野千明(写真提供:株式会社PLAYYTE)
西野千明(写真提供:株式会社PLAYYTE)

MCでは、ツアーに向けて筋トレをしていたので平気だったと小野寺梓と西野千明が語るなか、西野千明が投げたタオルが天井に引っかかってしまったことも明かされ、橋本美桜が「うちの同期がすみません」と言う光景も。それもまた久しぶりの流れだった。

鈴木えま(写真提供:株式会社PLAYYTE)
鈴木えま(写真提供:株式会社PLAYYTE)

ライヴの終盤では、まさに今の季節にふさわしい「桜色カメラロール」も。そして、葛藤と儚さがともにある、白キャンならではの楽曲の「全身全霊」で大阪公演は幕を閉じた。

三浦菜々子(写真提供:株式会社PLAYYTE)
三浦菜々子(写真提供:株式会社PLAYYTE)

この大阪公演は、ステージ上のメンバーとフロアのファンが強く呼応しており、激しく胸を揺さぶられるものがあった。私はここ1年の白キャンの単独公演をすべて見てきたわけではないが、それでも最近のなかでベストではないかと感じたほどだ。不調のメンバーもいたが、それを他のメンバーがうまくカヴァーしていたことに意味がある。そういう要素もあってこそのライヴだ。可憐な姿も、もがく姿も、そのすべてを見たいと感じた大阪公演だった。

「真っ白なキャンバス全国ツアー 2024『私とわたし』」は、4月から6月にかけて仙台、名古屋、札幌、福岡、東京で公演が行われる。また、白キャンが所属するAtelier IBASHOでは、4月14日締め切りの新メンバーオーディションを開催中だ。

写真提供:株式会社PLAYYTE
写真提供:株式会社PLAYYTE

<セットリスト>

01.闘う門には幸来たる

02.白祭

03.マイクレイジー

04.メンションガール

05.HAPPY HAPPY TOMORROW

06.ポイポイパッ

07.Whatever happens, happens.

08.オーバーセンシティブ

09.セルフエスティーム

10.レイ

11.ぼっち

12.Bye My Summer

13.ダンスインザライン

14.SHOUT

15.アイデンティティ

16.桜色カメラロール

17.キャンディタフト

18.全身全霊

「真っ白なキャンバス全国ツアー 2024『私とわたし』」公演概要

4月28日(日) 仙台公演・仙台MACANA

OPEN:15:00 / START:15:30

5月25日(土) 名古屋公演・名古屋ReNY limited

OPEN:13:30 / START:14:00

6月1日(土) 北海道公演・札幌Sound lab mole

OPEN:15:30 / START:16:00

6月16日(日) 福岡公演・福岡DRUM Be-1

OPEN:17:00 / START:17:30

6月28日(金) 東京公演・EX THEATER ROPPONGI

OPEN/START  coming soon

『Atelier IBASHOオーディション2024』特設サイト

https://atelieribasho2024.studio.site

音楽評論家

1972年、神奈川県生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。著書に『大森靖子ライブクロニクル』(2024年)、『72年間のTOKYO、鈴木慶一の記憶』(2023年)、『渡辺淳之介 アイドルをクリエイトする』(2016年)。稲葉浩志氏の著書『シアン』(2023年)では、15時間の取材による10万字インタビューを担当。

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