三菱UFJ銀行と三井住友銀行がATMを共同運営、地銀の参加の可能性も。みずほ銀行は含まれず
三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、現金自動預け払い機(ATM)を共同運営する方向で最終調整に入ったと2日に読売新聞が報じた。
三菱UFJ銀は約7000台、三井住友銀は約4500台のATMを設置している。すでに2019年度から駅などの「店舗外ATM」では、互いの預金者はどちらでも同じ手数料で利用できるようにしている。
「三菱UFJ銀行との店舗外ATM共同利用開始について」三井住友銀行のサイトより https://www.smbc.co.jp/information/atm_20190906.html
今回は店舗外ATM共同利用を発展させるかたちで、現金の輸送やコールセンター業務などを一元化し、維持コストの削減につなげる。現金の輸送や監視、障害時の対応などを共同で行う。本年度中の実現を視野に入れており、地方銀行などと連携を拡大することも検討するとか。両行が出資して新会社を設立し、これらの業務を担うことも検討しているとも報じられた。
利用者にとってはすでに「店舗外ATM」の利用時については、三菱UFJ銀行と三井住友銀行の預金者はどちらでも同じ手数料で利用できる。これが店舗内のATMにまで拡がるのかどうかはわからない。店舗内ATMも含むとなれば利用者の利便性はさらに向上しよう。
一連のコスト削減の効果で、ATMやインターネットバンキングを利用する際の手数料引き下げにつながる可能性もあると読売新聞は指摘していた。しかし、マイナス金利下での収益減に対応するためのコスト削減となれば、このあたりは難しいかもしれない。
全国の地銀なども参加すれば、運営コストを一段と削減できることで、それも視野に入れているようだ。しかしいまのところ「みずほ銀行」や「りそな銀行」については触れられていない。
みずほ銀行については合併の関係もあり、ATMの設置数システムは多い。国内におけるATM拠点はメガバンクでトップだとか。さらにみずほ銀行ATMとして利用できるイオン銀行ATMは全国のイオングループ店舗を中心に設置されている。
https://www.mizuho-fg.co.jp/no1/cases/service/detail30/index.html
しかし、みずほ銀行にとっても共同運用はさらなるコスト削減に繋がる可能性もある。ただし、みずほ銀行は今年に入ってからもシステム障害を起こしており、共同運営についてはシステムの安定化も不可欠となるのかもしれない。