生駒市上町にある「中本酒造店」さんは、創業から300年近い歴史を持つ、奈良でも屈指の老舗醸造蔵です。

代表銘柄「山鶴」の生原酒をいただく機会があり、とてもおいしかったので、中本酒造店さんのホームページを拝見したところ、純米酒のみを造っており、ほぼすべての酒を吟醸酒の規格で醸しているというではありませんか。かなりのこだわりを持って酒造りをされていることがわかります。

そして、気になる銘柄を発見。その名も『神龜乃黄金酒「長屋王」（しんきのくがねしゅ ながやおう）』。このお酒をどうしても飲んでみたくなり、直売所を訪れました。

富雄川沿いの通りから少し離れた静かな住宅地の中に、「中本酒造店　山鶴直売所」はあります。代表銘柄の「山鶴」の文字が目印。直売所のすぐ隣でお酒を醸造されています。店舗前には2、3台停められる駐車場があり、車での来店も可能です。

店内の様子

店内は、広くはありませんが「山鶴」をはじめ、さまざまな種類のお酒が置いています。

冷蔵の棚は見た目にも涼し気。生酒原酒やスパークリングなどが並びます。

珍しい、純米大吟醸の酒粕ジェラート。お酒と甘いものが好きな方にぴったりですね。

神龜乃黄金酒「長屋王」とは

こちらが今回お目当ての『神龜乃黄金酒「長屋王」』です。

なぜこの銘柄に惹かれたのかというと、このお酒、奈良時代のレシピをもとに作られたお酒なのです！

銘柄名にもなっている「長屋王」は、天武天皇の孫にあたる奈良時代の権力者。その長屋王の邸宅跡から出土した木簡に書かれていた酒造方法をもとに、現代で手に入る素材を用いて、試行錯誤の上、復元したお酒が『神龜乃黄金酒「長屋王」』です。約1300年の時を経て蘇った日本酒なんて、なんだかロマンを感じませんか。

さらに、『神龜乃黄金酒「長屋王」』は、フランスやイタリアの日本酒コンクールでプラチナ賞を受賞しており、国外でも高い評価を得ているお酒なのです。これは飲んでみたくなります。

奈良時代のお酒、そのお味は

こちらは桐箱入り720ml（税込3,960円）です。

おすすめの飲み方が書いた紙が入っています。どの飲み方もおいしそう…！

グラスに注いでみると、きれいな黄金色です。中本酒造店さんのお酒は吟醸規格の精米歩合60％以下で造られていますが、このお酒の精米歩合は90%。精米技術のなかった奈良時代のお酒を再現するために、あえて玄米に近い状態から日本酒を造ったそうです。

少し冷やして食中酒としていただいたそのお味はというと…。

甘い！　旨味がすごい！
濃厚！　そして少し酸味もあります。
濃厚ではあるのですが、お料理の邪魔はしません。アルコール度数は18度と少し高めです。

独特な飲み口なので、好みは分かれるお酒かもしれませんが、甘口のお酒が好きな私には大変おいしいお酒でした。

日本酒が好きな方、奈良の地酒や少し変わったお酒をお探しの方はぜひチェックしてみてくださいね。

店舗情報

「中本酒造店　山鶴直売所」
住所：奈良県生駒市上町1067
TEL：0743-78-3805