鬼木達監督も称賛。ACL敗退のショックから川崎を救う脇坂泰斗のスーパーゴールに見た新キャプテンとしての意地
何度も見たくなるミドルを叩き込む
[J1第1節]湘南 1-2 川崎/2月24日/レモンガススタジアム平塚 4日前に悔しすぎる敗戦を喫したばかりだった。 【PHOTO】華やかなダンスパフォ! Jクラブチアが国立に大集合!(Part1) 2月20日、ACLのラウンド16・第2戦で、ホームながら中国の山東泰山に2ー4で敗れ、悲願であったアジア制覇をまたしても逃した。しかも、第1戦はアウェーで3-2で勝利しながらのトータルスコアでの逆転負けだ。 鬼木達監督、脇坂泰斗らが、この大会に懸ける熱い想いを語っていただけに、ショックは計り知れなかっただろう。だが、何よりも避けなくてはいけなかったのは、引きずってリーグ開幕戦でも不甲斐ない姿を見せること。 ACLの山東泰山戦の直後には、頭の整理は追いついてなかっただろうが、誰もが口を揃えた。 「この負けをただの負けにしないように、今季が終わった時にあの負けがあったからと言えるように」 そして迎えたアウェーでの湘南とのリーグ開幕戦。序盤は4-4-2を採用した相手の厳しい守備に押されると、セットプレーから失点。嫌な空気が流れた。 それでもチームを救ったのは新キャプテンの脇坂泰斗だ。失点直後には仲間たちを叱咤激励すると、24分には左足を振り切って豪快にネットを揺らす。まさに度肝を抜くスーパーゴールであった。 これで落ち着いたチームは56分のFWエリソンのゴールで逆転し、今後の行く末を左右するとも言っていいほどの大きな勝利を手にしたである。 試合後、キャプテンの貢献、姿勢を鬼木達監督に訊けばこう返ってくる。 「あの1点がなかったら、どうなっていたか分からないゲームだったと思います。あれを迷わずに振り切ってくれた。今後のフロンターレにとっても重要だったと思います。というのは、ミーティングでも崩すところと、もうひとつミドルの話をしていました。彼がそれを示してくれた。 またACLの敗退から球際の部分なども出してくれた。それを今日だけでなく、続けていくことが、チームと彼の成長に大事だと思います。そこは期待していきたいです」 ACLの敗退後、チームを盛り上げようと練習でも積極的に声を出していたという脇坂。キャプテンの背中を見て仲間たちも勇気をもらったはずである。 脇坂の意地が詰まったようなスーパーゴールが、チームにもらたす影響は計り知れないと言えるだろう。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【関連記事】
- 「エンドウが予想していなかった中盤のマエストロに」遠藤航は守備だけではない!地元メディアが絶賛「ライバルのファンはこの移籍を嘲笑していたが...」
- 「終了の笛まで頑張り続けた」古巣戦で奮闘の久保建英、ソシエダは敗戦も現地メディアは及第点の評価「驚かせようとしたが...」
- 「ミトマは腰に問題がある」“悪質タックル被害”の三笘薫、怪我でエバートン戦の欠場が濃厚に。ブライトン指揮官が明かす「シェフィールドの選手に責任はない」
- 脇坂泰斗が海外移籍より川崎残留を選んだ理由。勝負の2024年への強い覚悟【スペシャルインタビュー前編】
- 川崎一筋15年の登里享平はなぜC大阪へ移籍したのか。中村憲剛、大久保嘉人、家長昭博、小林悠らからの言葉、数えきれない涙、誓った決意【インタビュー前編】