シルバー人材センターで4500万円不明、出納担当者は意識不明で事務局長は退職…書類も焼失
山口県の防府市シルバー人材センターは2日、2020~22年度の決算について、通帳残高が計約4500万円少ない不明朗な会計処理が行われていたと発表した。同センターは10月に被疑者不詳のまま防府署に被害届を出し、同署は受理した。 【図解】全国のシルバー人材センターの延べ就業人員の推移
発表によると、今年2月に会員への配分金(報酬)の支払いが一部遅れたため銀行に問い合わせたところ、運営口座の残高がほとんどなかった。当時、出納担当の女性が通帳を、常務理事で事務局長を務める女性が銀行印を管理していた。
問題発覚後にセンターが調査を始めたが、出納担当は自宅で倒れて意識不明の状態が続いている。事務局長は3月に退職した。センターは9月、管理責任を怠ったとして事務局長だった女性に約4700万円の損害賠償を求めて提訴した。
センターでは昨年11月、事務所があった建物の1室が焼ける火災が発生。関係書類が焼失したこともあり、被害額を確定できないとしている。この日は県の監査が行われる予定だったという。センターの阿部裕明理事長は「会員や市民に深くおわびします」と述べた。