ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した小マゼラン雲の散開星団「NGC 602」
初期宇宙の星形成を理解する助けに
誕生したばかりの宇宙にはほぼ水素とヘリウムしか存在しておらず、天文学で「金属」と総称されるより重い元素は恒星内部の核融合反応や超新星爆発などを通じて生成されることで、徐々にその量が増えてきたと考えられています。 NGC 602の局所環境は金属量が少なく、同じように金属量が少なかった初期の宇宙と非常に似ているといいます。研究に参加したジェミニ天文台/スチュワード天文台/STScIのElena Sabbiさんは「NGC 602で新たに発見された金属に乏しく若い褐色矮星を研究することで、初期宇宙の厳しい環境下でどのように星や惑星が形成されたかの秘密に迫っています」とコメントしています。 冒頭の画像はESAから2024年10月23日付で公開されています。比較的身近なところにある若い天体(といっても天文学的なスケールでの話ですが)が何十億年以上も昔の星形成を理解する助けになるところに、天文学の不思議な魅力を感じませんか? Source ESA/Webb - Webb finds candidates for first young brown dwarfs outside the Milky Way
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部