「FRIDAYよ潰れてしまえ!!」″番長″清原和博が吠える!「今の球界」と「大谷翔平」に想うこと
「二人の息子の頑張りが自分の生きる力になっています」 そうFRIDAY記者に語る清原和博(57)。’23年に慶應義塾高校野球部に所属していた次男・勝児(19)が甲子園に出場し、’24年は長男・正吾(22)が慶應義塾大学の4番打者としてプロ注目選手にまで成長した。 「夢」と書いた色紙を手に笑顔を…清原和博 ロングインタビューの未掲載カット 家族や友人に支えられ、着実に第二の人生を取り戻している清原。折しも’25年6月、清原の学生野球資格が回復し、高校生、大学生の指導に当たることが可能となる。 ロングインタビュー後編では、指導者としての今後や、いまの球界に対する想い、そして大谷翔平についてなどを語りつくす。 ◆やっぱり、高校生を教えたい 「自分の体調を整えながら、指導を始めたいと思っています。プロの指導者っていうのは、コンプライアンス的な問題もあるでしょうし、僕が決められることではないのでなんとも言えないですね。 でも、ファンの皆さんやかつての同僚が、『コーチとしてプロ野球界に復帰してほしい』と言ってくれることは、とてもありがたいと思っています。 アマチュアの指導ができるようになったら、やっぱり、高校生を教えたい。校風やその野球部の文化を見極めて、学生たちの技術を上げるような教え方ができればいいなと思います。 僕はPL出身なので、時代的にも気合と根性第一でやってきたんですが(笑)、PLで経験したような根性論が今の高校生に通用しないのはわかっています。自分の肌で感じたことを、素直に伝えていきたい。僕を超えるバッターを、僕の手で育てるのが目標です。まぁ、自分のようなバッターは二度と出てこないとも思いますけど。 次男の勝児は来年(’25年)から大学で野球をやるつもりでいますから、それもサポートしていきたい。最近グラウンドでプレーしているのを見ていないので詳しくは言えませんが、活躍できるポテンシャルはあると思いますよ」 ◆もし大谷と対戦したら…… 息子二人について話す清原の瞳には、父親としての愛情と、野球人としての矜持が宿っている。息子たちが生きがいとなった清原の今後の主戦場は、アマ球界になっていくのだろうか。 「たまにプロ野球も観ます。でも、やっぱり自分たちがやっている時代とは変わったなと思います。乱闘が少なくなっているし(笑)。監督の抗議もリクエスト制になってからめっきり減りましたし、監督や選手が大暴れする姿も観られなくなったので、それはちょっと寂しいかな。 岡本くん(和真・28)や村上くん(宗隆・24)の打撃は群を抜いていると思いますね。二人もメジャーに行くんでしょうが、日本球界にとっては損失というか、寂しい感じはしますよね。 大谷くん(翔平・30)の存在によって、海を渡る選手がどんどん増えてきていますし。どのスポーツニュースを観ても、日本のプロ野球が一番に来ないっていうのは問題かな。まぁ、大谷くんがスゴすぎるっていうのも大いにありますけど」 今や世界一のプレイヤーとなった大谷はやはり、清原から見ても別格の存在だという。もし現役時代の清原と投手・大谷が対戦していたら――そんな疑問をぶつけてみた。 「いや、打てないでしょ(笑)。真っ直ぐは速いし、多彩な変化球を操るんで、普通に投げられたら歯が立たないと思います。ただ、力負けはしないはず。ストレート勝負してくれたらチャンスはあるかな。変化球を投げてきたら、『お前、キンタマ付いてんのか!』って言いたくなるだろうけど、今のご時世的に、それももう言えないな(笑)」 再びプロ野球のユニフォームに袖を通すのはまだ時間がかかるかもしれないが、解説者として球界に復帰し、活躍している清原。プロ生活23年、通算525本塁打の経験を活かした打撃解説は、ファンからの好評を受けている。 「現役時代、ピッチャー出身の解説者に打撃の技術的なことを言われたり、自分よりも成績の悪い人に否定的なことを言われたりしたのがスゴく嫌だった。だから、僕が解説するときは、自分のわかる範囲で、とにかく選手たちのいいところを探して話すようにしています。どんな形であれ、野球に関わることが僕の運命だと思っています」 ◆清原の野球人生 改めて、清原にとって野球とはなんだったのか。記者から色紙を受け取った清原は、「この字であってるかな……」と呟きながら、「夢」と記した。 「野球は夢のある世界。その夢は、今でも続いています。僕が野球をやっていなければ妻と出会うこともなかったし、おそらく息子たちも野球をやっていなかった。そして息子たちが野球をやっていなければ、今のような家族の良い関係を保てていなかった。本当に23年間、身体はボロボロになりましたけど、野球という夢を追いかけ続けてきて本当に良かったと思います」 取材の最後、40周年を迎えたFRIDAYへのメッセージを求めると、アイスコーヒーを飲み干した清原はニヤリと笑い、かつてFRIDAYが幾度も写し出してきた、いたずらっぽい目をこちらに向けてこう言い放った。 「FRIDAYよ、潰(つぶ)れてしまえ!!(笑)」 FRIDAYと清原のライバル関係は、これからも続く。次に記者と相まみえるその時、清原は仕立ての良いスーツではなく、汗にまみれたユニフォームに身を包んでいるかもしれない。 『FRIDAY』2025年1月3・10・17合併号より
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