神戸に無敗伝説を導くイニエスタの陰の努力とは?
たとえばベルマーレ戦は累積警告で出場停止だったMF藤田直之(31)は、合流直後のイニエスタから愛称の「ナオ」と呼ばれて驚いた一人だ。 「2人で片言の英語で話したんですけど、自分の経歴を知っていたし、みんなの名前も覚えようとしていた。本当にすごいな、と」 藤田が2015シーズンまでサガン鳥栖に所属していたことを、イニエスタは把握していた。 自身が一時帰国中にJ2のFC岐阜から加入したFW古橋亨梧(23)へは、紅白戦の合間などに「もっと君のよさを出していいよ」とアドバイス。武器であるスピードとドリブル突破がJ1でも通用すると自信をもたせ、11日のジュビロ磐田戦でのJ1初ゴールを導いた。 オフだった今月16日に神戸市内のスペイン料理店で開催された、今夏に加入した選手たちを歓迎する選手だけのパーティーではあえて長沢の隣に座り、通訳を介して話に花を咲かせた。 「もっと自分が動き出せばパスを出してくれると思いますけど、2回くらいしか一緒に練習していなかったので。そういう部分はまだわかってもらえていないと思うし、僕自身も確かめながらやっていた」 試行錯誤状態だったにも関わらず絶妙のパスを開通させ、自身にアシストを記録させてくれたイニエスタへ、サッカーそのものが「会話になる」と長沢は笑顔を弾けさせた。 「やっぱり一緒にサッカーをするほうが楽しい。今日もそうだったし、これからもっと、もっといい関係を築けていければ」 ベルマーレ戦へ向けて移動する車中では、チームメイトたちに「フォト!」と声をかけては、スマートフォンで一緒の写真に納まった。フォロワー数が7400万人を超える自身のSNSへ、見ている側が思わず笑顔になる写真を加入直後からどんどん投稿している。 今シーズンからベガルタ仙台より加入。与えられた「8番」をシーズン中にイニエスタへ譲り、自らは「7番」へ変更した三田も、イニエスタから頻繁に「フォト!」と声をかけられる一人だ。 「自分からは『写真を撮ってください』とは言いづらいというか。でも、アンドレスが撮った写真は、もちろんもらいましたけど」