膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
● 「膝腰同側」の体操で 深層部の筋肉が鍛えられる 「膝腰同側」(ひざこしどうそく)といい、椅子に座って片側ずつお尻を持ち上げながら、左右に体重移動をするものです。 ▼画像で解説・「膝腰同側」の体操 ▼画像で解説・NG例 このときなるべく頭は動かさず、骨盤より下だけを動かすイメージでいることが大切です。すると、体を支える深層部の筋肉「インナーマッスル」のトレーニングになるのです。 これがきれいにできる人は、歩き方もうまいでしょう。最初はうまくできなくても、この動きを1日1回30秒でも続ければ、やがて股関節が柔らかくなり、インナーマッスルが機能して、高齢者であっても長く歩けるようになっていきます。 運動能力も確実に向上します。実際に私はプロのアスリートに指導する際もこれを取り入れています。実はプロでも体力だけに頼っている人は、こういったインナーマッスルを使う動きが最初はできません。 ところがそのような選手も、しばらく続けると効果が出ます。最近指導した選手の中では3カ月程度続けて自己ベストを更新したマラソン選手や、1キロが40秒早く走れるようになったスカッシュの選手がいるんですよ。
● 正しい歩き方は 骨盤と足をつないで動かす さて体に負担が少ない、正しい歩き方とはどのような姿勢でしょうか。 よくいわれるような「胸を張って前を見て、大股で腕を振り、かかとから着地する」ような歩き方はお勧めできません。大股で歩くと、体がくの字になって上半身と下半身が分断され、足だけで歩くような形になりがちなのです。長時間歩くと足が疲れやすい人は、このように足だけに負担がかかっている可能性が高いのです。 正しい歩き方は骨盤と足をつないで動かす、みぞおちから足を動かすようなイメージです。足を前に踏み出す瞬間、膝の上に腰が乗るように意識し、かかと、膝、腰がまっすぐ一直線になる形ですね。 ● 腰から前に出て歩くことで 大腰筋が強くなりウエストも締まる 感覚をつかむためには、右手と右足、左足と左手が一緒に出る「同側歩き」をしてみてもいいでしょう。足を上げずに腰から前に出ることで進むのです。こうすると骨盤がしっかり動き、背骨にねじりの動きも加わって、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉「大腰筋」が強くなります。 大腰筋は足を動かす大本のエンジンです。体を使わないでいると大腰筋が衰え、歩くのが遅くなったり、姿勢が悪くなる、バランス力が低下したりするなどの症状が現れます。 反対に大腰筋を使い、腰から歩くような骨盤や股関節を動かす歩き方を身に付ければ、どこまでも歩けるようになるのです。腰を使うことによってつまずきの予防になり、階段も上りやすくなるでしょう。 すると足の負担が減り、おなかも使いますから、足やおなかなどの余分なぜい肉もそぎ落とされていきます。ウエストが引き締まってお尻が上がり、足が細くなるという、うれしいおまけも付いてくるのです。