【全米女子プロ】山下美夢有、メジャー自己最高2位でパリ五輪切符獲得「日本代表として頑張る」
<米女子ゴルフツアー:全米女子プロ選手権>◇最終日◇23日(日本時間24日)◇米ワシントン州サマミシュ、サハリーCC(6731ヤード、パー72)◇賞金総額1040万ドル(約16億1000万円)優勝156万ドル(2億4200万円) 国内女子ツアーで22、23年と2年連続年間女王の山下美夢有(22=加賀電子)が、メジャーで自己最高の2位でパリ五輪切符を獲得した。24日付の世界ランキングが発表され、日本勢1番手10位の笹生優花(23)とともに同2番手の19位が確定した。大会は首位と2打差の2位からメジャー初の最終日最終組で回り、3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの73で通算4アンダー、284。7アンダーで優勝した梁熙英(韓国)には及ばず日本女子4人目はならなかったが、2アンダーで7位の渋野日向子、西郷真央とともに、史上3度目となる女子メジャーでトップ10に日本勢が同時イン。五輪では日本ゴルフ界初の金メダルに挑む。 ◇ ◇ ◇ ひときわ小さな150センチの山下が、世界最高峰に迫った。2番パー5で、第3打を1・5メートルにつけてバーディー先行。続く3番パー4で首位梁がボギーとした時点で1差に迫った。しかし明暗が分かれたのは5番パー3。ティーショットを4メートル弱と、最終組3人の中で山下が最も寄せていた。 梁が20ヤード余りからチップインバーディー。前週まで米ツアー通算5勝の34歳、ベテランの底力に気後れしたように、バーディーを逃した。その後は引き離されたものの、梁のメジャー初優勝を目の当たりにして「もっと上位で戦えるように頑張りたい」。世界一への思いは強くなった。 後半途中で7打差まで開き、優勝は絶望的となっても最後まで攻めた。17番パー3は果敢にピンを狙い、ホールインワン寸前。観衆を沸かせた。最終18番パー5は、第3打を2・5メートルにつけてバーディー締め。ともに元世界ランキング1位の高真栄(韓国)ブ(米国)と肩を並べる2位に食い込んだ。「すごいギャラリーの方がいて、すごい緊張したけど、楽しくプレーできた」。7度目のメジャー挑戦にして、3週前の全米女子オープンの12位を大きく上回る、自己最高位更新に笑顔が止まらなかった。 米女子プロゴルフ協会はこの結果を受け、日本代表として最新世界ランキングで6位の笹生と、山下が日本代表として五輪出場権を得る見通しと発表した。前週まで日本勢4番手。代表圏外22位だったが、同20位の古江が今大会19位、同21位の畑岡が予選落ちに終わり、逆転。ホールアウト後は正式決定となる24日付のランク発表前だったため「行けるんですか?」と報道陣に逆質問。半信半疑も「しっかり日本代表として頑張りたい。自分が今やる、やりたい、やるべきことをやれば、結果はついてくる」と力を込めた。発表では、しっかり日本勢2番手の世界19位に浮上していた。 2年連続の年間女王に輝いた直後の昨オフに語っていた。「4年に1度の五輪は特別。出場したら、もちろん金メダルを狙う」。前週は国内ツアーで戦い、一時は予選通過も危ぶまれる40位まで順位を落としながら5位。最終日に日本をたつ強行日程で、世界最高峰の舞台の最終盤で盛り返した。不屈の精神力で、前回21年東京五輪の稲見の銀メダル超えが目標。次のメジャー、エビアン選手権(7月11日開幕、フランス)、そして8月の五輪へ。国内ツアーの女王が、満を持して世界の女王に挑戦する。