「新」クールジャパン戦略が成功するには?ニッポンを“発見”するのは世界!やるべきは「私たち」のコンテンツを作りを邪魔しないこと
やはり、この戦略にそって設立された「クールジャパン官民連携プラットフォーム」が22年から23年にかけて、世界のSNSの日本に関して話題になっている分野のカテゴリの順位は1位以下(数字)次のようになっている。 (1)音楽、(2)文化、(3)スポーツ、(4)アート、(5)アニメ、(6)観光・旅行、(7)サッカー、(8)歴史 国別に3位までみると以下が並ぶ。 米国 (1)音楽(2)文化(3)スポーツ 英国 (1)サッカー(2)スポーツ(3)音楽 豪州 (1)サッカー(2)スポーツ(3)観光・旅行 マレーシア (1)観光・旅行(2)食べ物(3)レストラン ポップカルチャーの本場である米国において、日本の音楽と文化が注目されているのは興味深い。英国でも音楽が3位に食い込んでいる。ちなみに、サッカーは国際試合の後に日本チームがロッカールームをきちんと整理整頓する様子がバズっている。 「シティ・ポップス」と世界的に呼ばれるようになった、日本の1970年、80年代のJポップがいま世界を席巻している。山下達郎はラジオの番組のなかで、自分のLPレコードが英国で£2000(約40万円)の値段がついていることに驚いていた。
Netflixから見る映像作品の評価
アニメとコミック、世界の映画祭で日本作品が発見されているのはいうまでもない。ここでは、Netflixの日本発の作品と日米合同の作品をみていくことにしたい。 「今際の国のアリス」(season1・2020年、season・22年)は、世界の視聴時間が億時間を超えて日本制作の作品としては最高記録である。これに続くseason3の放映も予定されている。 荒廃と破壊つくされた東京の街を舞台にして、アリス(山﨑賢人)やウサギ(土屋太鳳)、カルベ(町田圭太)らがサバイバル・ゲームに挑む。原作は、麻生羽呂のコミック。日本が得意とするゲームが映像にマッチしている。 実写版「幽☆遊☆白書」(23年)はNetflix非英語シリーズのなかで、初登場1位を獲得した。原作は富樫義博のコミック。死から蘇った主人公が闘いを繰り広げる。 宇多田ヒカルの名曲「First Love」と「初恋」にインスパイヤ―されたドラマ「First Love初恋」(22年)や、相撲界を描いた「サンクチュアリ―聖域―」(23年)も世界的に話題になった。 単一の筆者による作品の刊行数としては、ギネスブックに登録された「ONE PIECE」は、日米合同で製作され、23年に配信開始した。 Netflixがオリジナルで制作する本数のなかで、日本制作は全体の4%を占めるまでになって、韓国の3%をしのいでアジアでは一番多い。半数近い米国を除けば、英国の8%、スペインの5%に続いて、ブラジルとインドと同じ水準にある。 映画において、アカデミー賞やカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの世界3大映画祭の日本人監督による作品の数々も、世界がニッポンを発見したといえるだろう。黒澤明監督の「7人の侍」や衣笠貞之助監督の「地獄門」……北野武監督の一連の作品なども世界を驚かせた。ニッポンの発見は続いているのである。
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