トレーナーの兄ジェーソン氏（右）とともに来日したジョンリール・カシメロ

　プロボクシングWBO世界スーパーバンタム級5位ジョンリール・カシメロ（34＝フィリピン）が26日、約1年ぶりのリングに備えて来日した。元WBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪氏（33）の手掛ける10月13日の興行Treasure Boxing7大会（横浜武道館）で、WBO世界バンタム級8位サウル・サンチェス（27＝米国）とのスーパーバンタム級10回戦を控えての早期来日。長距離フライトなどで「少し疲れている」といいながらも「サンチェス戦はイージーファイトだ」と自信たっぷりにKO宣言した。 　母国フィリピンで200ラウンド以上のスパーリングを消化。昨年10月、元IBF世界同級王者小国以載（角海老宝石）と4回負傷引き分けとなって以来の試合に向け「昨年はせきや熱があったり、コロナにかかっていたかもしれない。だが今回はうきうきしているし試合が楽しみ。サンチェスをKOする場面を（4団体統一同級王者）井上尚弥にもみに来てほしい」と希望した。 　20年4月、バンタム級時代に井上－カシメロ戦が1度決定しながらもコロナ禍で中止となった経緯がある。4年前に比べ、井上がスピードが落ちてパワーが格段にアップしたと強調するカシメロは「自分の方がスピードもパワーも上だ。フィリピンのファンのため、井上と戦わないと最強を証明できない」と対戦を熱望した。当面、井上は4団体統一王座をキープするため、世界主要団体の指名試合を消化しなければいけない立場にあるが、「井上は私に勝つため、私が年老いていくことを待っているかもしれない」と持論を展開した。 　井上が同級に留まるのは25年いっぱいとされる。26年には1階級上のスーパーフェザー級に転向する可能性が高い。「自分はスーパーバンタム級にとどまるつもりだ」と無理に井上の背中を追わない姿勢も示した上で、WBA世界バンタム級王者の弟拓真（28＝大橋）の存在を挙げ「もし井上との試合が実現しないなら弟と対戦する。バンタム級に落とす」とも発言。井上兄弟との対戦にこだわる姿勢を貫いていた。