「1ドル=200円」の円暴落に今すぐ備えよ…「7月末の日銀会合で日本円の運命が決まる」と私が考える理由
■7月末の“失望売り”に備えたほうがいい 長年、私は国会の場で「異次元金融緩和の出口を示せ」「出口の際のシミュレーションを示せ」と日銀に要求してきた。にもかかわらず、日銀は「時期尚早」という言葉で逃げ、出口を示さないままこの期に至ってしまった。 早い時期で叡智を結集させ、国民に説明をして(その時点でも巨大だが)損失を覚悟し、方向転換ができていれば、ここまで損害は大きくならなかったと強く思う。日本が得意とする危機先送りは、最終的に超巨大なツケを国民に課すことになるが、現時点に至っても先送りをしようとしている。 財政規律を無視してバラマキというポピュリズム政治を続け、歴史に学ばず禁じ手中の禁じ手と言われる財政ファイナンス(国の歳出を中央銀行が紙幣を刷って賄う)を行ってきたツケは尋常でないほどに大きい。 止まらない円安はツケの一部であり、その先には円暴落・紙くず化が待っている。バラマキ政治と禁じ手のツケは国民が支払うことになるのだ。ここに至っては悲劇を招いた事実の正確な記録を残し、若者世代が将来同じ誤りを繰り返し、彼らも地獄を見ることのないようにすることが我々に残された義務だと思う。 そして繰り返し述べているように、皆さんにはいま「保険の意味でドルを買う」など、ご自身とご家族を守るための自助努力が必要なのだ。 ---------- 藤巻 健史(ふじまき・たけし) フジマキ・ジャパン代表取締役 1950年東京生まれ。一橋大学商学部を卒業後、三井信託銀行に入行。80年に行費留学にてMBAを取得(米ノースウエスタン大学大学院・ケロッグスクール)。85年米モルガン銀行入行。当時、東京市場唯一の外銀日本人支店長に就任。2000年に同行退行後。1999年より2012年まで一橋大学経済学部で、02年より09年まで早稲田大学大学院商学研究科で非常勤講師。日本金融学会所属。現在(株)フジマキ・ジャパン代表取締役。東洋学園大学理事。2013年から19年までは参議院議員を務めた。2020年11月、旭日中受賞受章。 ----------
フジマキ・ジャパン代表取締役 藤巻 健史