衆院選に対するネットの声をAIで「見える化」ブロードリスニングで見えてきた意見の変化とは?(選挙戦前半編)
●政策に関する意見:「政治とカネ」「経済・消費税」への高い関心続く
一方、政策に関する意見についての分析を見ると、公示後の選挙戦前半では、「政治とカネ」問題をめぐる声が大きな塊となった。自民党に対する批判の声がある一方、野党がいわゆる「裏金問題」で与党を批判することを優先し、政策議論が十分行われていないのではないか、と指摘する声もみられた。 また、公示前後を通じて、経済政策に関するグループが複数形成され、物価高など、生活環境の改善を望む有権者の関心の高さがうかがえる。特に複数の野党が掲げる「消費減税」に関する意見が数多くみられるが、中には消費減税の実現性を疑問視する声や、社会保障費の財源に関する議論を同時に行うべき、との意見もみられた。 選択的夫婦別姓や同性婚をめぐる議論、能登半島の災害被災地への復興対応が選挙によって遅れることへの懸念の声などは、公示前後を通じて一定のグループを形成している。
●安野貴博氏 「話題の中心が、自民党から選挙・政策全体へ」
今回の公示前~選挙戦前半戦にかけての人々の声の変化について、安野氏は「公示前と比較すると、自民党に関する話題が中心だったところから、選挙全体へと話題が広がっている」と分析する。 衆院選全般に関する声では、公示前は自民党総裁選直後であったこともあり、自民党・石破政権への批判や裏金問題への批判などに話題が集中していたが、公示後は、選挙への関心が高まる中、裏金問題批判ばかりで政策議論がないことへの批判などが増えている。 また政策に関する議論では、公示前に見られた安全保障に関する話題のグループが公示後はなくなり、経済政策・税制改革への関心が高まっている。安野氏は、「こちらも、各政党の政策・主張に対して国民の関心が強い部分が現れた形だ」と指摘する。 後半戦に突入した衆院選。人々の政治に対する声や意見を、各党が訴えや政策に反映していけるのかにも注目だ。