特別インタビュー 岡慎之助、2028年ロサンゼルス五輪で「4冠」宣言/体操
今夏のパリ五輪体操男子で団体、個人総合、種目別鉄棒の3冠を達成した岡慎之助(21)=徳洲会=がサンケイスポーツのインタビューに応じ、大きく飛躍した2024年を振り返った。日本体操界では52年ぶりの快挙を達成した新エースは、2028年ロサンゼルス五輪に向けて、各種目で新たに取り組む〝必殺技〟を表明。4年後の目標を『4冠』と宣言した。(取材構成・高橋朝香) ――パリ五輪の3冠で一気に時の人になった。今年を振り返って 「本当に記憶に残る1年になった。3冠なんてできると思っていなかったし、ましてや鉄棒の金っていうのも。新しい歴史を作ったなっていうのと、夢がかなった瞬間だった」 ――一番うれしかったメダルは 「団体の金と平行棒の銅。平行棒は倒立で終わる技が多い。倒立は、体操を始めてからずっとこだわってきたので。本番で自分の実力が出せたので、金じゃなかったけど、うれしかった」 ――多くの祝福が届いた。心に残っているのは 「五輪期間中に、恩師(おかやまジュニア体操スクールの三宅裕二さん)から電話が来て。いつもはあだ名の『ちん』といわれるけど、その時だけ『慎之助』って呼んでくれて。やっと実ったな、認められたな、みたいな感じですごくうれしかった」 ――五輪前後で変わったことは 「もっと結果を残したいって思えて、体操がより好きになりました」 ――ロサンゼルス五輪に向けて再始動した 「まだ詳しく予定は立てていないけど、4年後のオリンピックは、今回の(金)3つに平行棒を加えた4冠を狙っています」 ――平行棒はパリ五輪金メダルの中国・鄒敬園が強い。五輪を経て活路は見いだした 「もっと技は入れなきゃいけない。倒立姿勢がいいだけじゃ駄目。倒立は得意だけど、まだ足が揺れるなど、本当に細かい修正が必要。あとは、技のさばき方で、『雄大性』をもうちょっと出していけたら」 ――鉄棒では、リューキン(伸身トカチェフ1回ひねり)に挑戦。ロサンゼルス五輪に向けて、必殺技は 「平行棒はE難度のリチャード(前振り上がり片腕支持1回ひねり倒立)と、降り技の前方ダブルハーフを屈伸姿勢でやっていきたい。あとは、床のビッグタンブリング(高難度の技)系とか」